[ソウル 27日 ロイター] - 韓国中銀が27日発表した第3・四半期の国内総生産(GDP)速報値は、季節調整済みで前期比1.9%増加し、新型コロナウイルス流行による前期までの落ち込みからプラス成長に転じた。2010年第1・四半期以来の高い伸び率だった。

政府の景気対策に加え、主要な貿易相手国がコロナ対策の行動制限を解除し始めたことが成長率を押し上げた。

ロイターがまとめた市場予想の1.7%増を上回った。第2・四半期は2008年以降で最悪となる3.2%のマイナス成長だった。

第3・四半期GDPは前年比では1.3%減少。前期は2.7%減(改定値)だった。

韓国政府は310兆ウォン(2748億3000万ドル)規模の景気対策を打ち出している。

第3・四半期の輸出は、前期比15.6%増。増加率は1986年以降で最高となった。第2・四半期は16.1%減だった。

製造業生産は前期比7.6%増。建設投資は前期比7.8%減、民間消費は0.1%減だった。

キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、アレックス・ホームズ氏は、今年のGDPをマイナス1%と予測。米欧の新型コロナ感染拡大がリスク要因だとの見方を示した。

同氏は「(今年の経済成長率は)1998年以降で最低となる見通しだが、世界的に見れば非常に高い水準となるだろう」と述べた。

洪楠基・企画財政相は、GDP統計について、成長軌道の「正常化」が始まりつつあることを裏付けていると指摘。「この危機を乗り越えられるという自信を強める上で重要な要素になる」との見方を示した。

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