北関東の豚盗難に関与か、ベトナム人宅を家宅捜索 2人を入管法違反容疑で逮捕
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技能実習制度の大きな問題の一つに「失踪」があります。日本で働いていた外国人技能実習生が、職場からいなくなるということです。失踪した技能実習生は、2016年には5千人、2017年には7千人、2018年には9千人、と毎年急速に増加してきました。
例年の失踪者のおよそ半数を占めるのがベトナム人です。かつては中国人が多かったですが、中国人はそもそも技能実習生として日本に働きに来る人数が減りました。代わりに増えているのがベトナム人です。
なぜベトナム人技能実習生は失踪するのかというと、日本での待遇が非常に悪かった、という場合もあるでしょうが、ベトナムで借金して来ているから、というのが大きいです。これは、ベトナムの送出機関にダマされているようなものなのですが、仲介料や研修費などと称して、技能実習生は数百万円の借金を背負わされ、それを親族などからかき集めて日本に来ています。借金を返すだけの金を日本で稼がなければベトナムへは帰れない、ということになります。
今年に入ってからは、コロナ禍で職場から解雇され(制度的にそういうことはできないはずなのですが)、無職の不法滞在状態で放り出される、という例も増えています。
失踪したベトナム人技能実習生がどこに行くかというと、北関東、特に群馬県に集中しています。ボドイ(ベトナム語で「兵士」)というネットワークがあります。ベトナム人が日本で生き抜くために協力する、フェイスブック上などにあるネットワークです。失踪したベトナム人は、このネットワークなどを頼って関東に向かい、仕事を割り振られます。特に多いのはウーバーイーツの配達員などですが、銀行口座や携帯電話の転売、外国人在留カードや車検証、成績証明書の偽造・販売といった仕事もあります。
今年に入って、北関東で家畜や農産物の盗難が急増しており、豚670頭をはじめ、牛やニワトリ、マスカットなどが、大量に盗難され、ボドイのネットワークで販売されています。ボドイも急速に多くの失踪者を受け入れることになり、シノギの多様化が必要になったと見られます。勤務経験のある農業や畜産の現場が狙われたと考えられます。これは、ベトナム人がどうとか受け入れ企業の質がどうこうとかそういう話ではなく、日本の外国人受け入れに対する仕組みが問題という話なんだよなぁ。
移民も同じ。
一部分の労働者が足りないとか生産性云々とか、経済重視の視点で考えていたら、日本は潰れると考えています。
今の日本の治安についても、経済と同じくらいのバランスで考え、『移民(外国人労働者)ありき議論』ではなく、国家ビジョンをしっかり確立した上での手段として検討していただきたいものです。
ホント、創り上げるのは時間と手間がかかるけど、壊すのは簡単なんだから…。