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中国は、自らにとって都合の良い国際秩序を形成するために、国連に対する影響力を強めようとしているのです。中国が事務局長を押さえている4つの国連専門機関を見ると、どの分野を押さえれば国際社会において支配的な地位を占めることができると中国が考えているのか分かります。
その4つの機関とは、国連食糧農業機関(FAO)、国連工業開発機関(UNIDO)、国際民間航空機関(ICAO)、国際電気通信連合(ITU)です。中国は、世界知的財産権機関(WIPO)の事務局長も取りに行こうとしましたが、これが米国に阻止されたのです。世界で最も深刻な知的財産権侵害を行っている中国がWIPOを牛耳れば、国際的な知的財産権に関する問題は解決されなくなるでしょう。中国にとっては、自らの知的財産権侵害が国際社会で批判されなくするという意味で「解決」なのかもしれませんが。
中国は、各種の「標準」を中国製のものにすることで、国際社会に対する影響力を強めようとしています。国連を自らの影響下に置くことも、その手段の一つと言えるでしょう。
WHOの例を見れば分かるように、国連における中国の影響力が強まれば強まるほど、国連は中国にとって都合の良い問題の扱い方をします。そのことに不信を覚える米国等は、国連から距離を取るようになっています。中国が国連に対する影響力を強めるほど、国連が創設時の理念から離れていきます。そのことに不信をつのらせる先進各国が国連から離れれば、国連の権威は低下し、国際問題の解決が難しくなるのです。
最大の出資国であるアメリカの主体性がなくなった時点で、存在意義が危うくなってるし、アメリカの存在感なしで日本がリードできるわけもない。中国主導の国連になるのか、それともEUがリードするのか。