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2020年10月25日 公開

【イベント潜入】トランプと「福音派」の蜜月

大統領選の行方を左右する「トランピアン」を追うシリーズ第二回は、アメリカ国民の4人に1人、8400万人が信仰する「キリスト教福音派」の生態をレポート。聖書に書かれていることのみを信じる「宗教保守」の彼らが、なぜ醜聞の絶えないトランプ大統領を熱烈に支持するのか。巨大な教会での異様にショーアップされた集会、叫ぶ牧師たち、信者の心理を探っていくうちに、アメリカ社会に横たわる「恐怖」が浮かび上がってきた。(9分/取材:洪由姫、後藤直義、ダン・コプフ/撮影・ディレクター:後藤直義/デザイン:黒田早希/編集:有水冴子、栗原良介、柳橋泉紀、豊田一真、小西健太郎)
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米国人の70%はキリスト教徒です。また、米国人の46%はプロテスタントのキリスト教徒、20%はカトリック教徒です。
 福音派というのはプロテスタントの一部で、米国人の25%は福音派です。
 福音派(Evangelical)とは何か、というと、単純にいうと、聖書第一主義を突きつめた考え方を福音主義といい、福音主義を信奉するキリスト教徒が福音派です。福音というのは、聖書、特に新約聖書の福音書のことをいいます。
 聖書第一、というのはルターなども言っていたことで、つまりカトリック教会の教皇などが言ったことだからといって正しいとは限らない、あくまで聖書に書いてあることが正しい、というプロテスタントの根本となる考え方です。
 「福音派は人工妊娠中絶に反対だからトランプ大統領を支持している」と結論づけると、この人たちを見誤るでしょう。宗教勢力というのは、現代国家に適用できる包括的な経済政策などを持っていないので、ワン・イシューに絞って訴えることが多いです。
 米国の建国者とされるピューリタン(清教徒)も聖書第一主義のプロテスタントであり、彼らはこの思想に基づいて新天地に米国という新国家を建設したはずでした。福音派の人々は、その正統な後継者であると自認しているでしょう。
 福音派にすれば、米国は福音主義に基づく理想国家だったはずが、黒人が来て、アイルランド人やイタリア人やヒスパニックのカトリックが来て、ユダヤ人が来て、はてはキリスト教徒でさえないアジア人が来て、米国は訳のわからない国になりました。福音派が望むのは、具体性には欠けますが、「米国を、取り戻す」ということでしょう。
 米国有権者の内、白人のキリスト教徒に限れば、トランプ支持が多数になっています。福音派に至っては8割がトランプ支持です。他の人種+宗教では、圧倒的にバイデン支持です。しかし、白人キリスト教徒だけで、有権者の40%ほどはトランプ支持である、と大雑把にはいえます。日本でも知られていることですが、宗教票は組織票の中でも特に、信徒数以上の得票効果があります。有権者の25%を占める福音派が組織票として動けば、かなり盤石な地盤になります。
フロリダとテキサスはアメリカでも最もメガ・チャーチ(2000人以上の信者が入れる巨大教会)が多いことで有名で、カリフォルニアに次いで、2位と3位になります。

このメガ・チャーチ は主にキリスト教の福音派が集まります。そこで開かれる礼拝は、私が思っていたものからかけ離れて、大衆的で、ライブ会場??と思わせる仕掛けで若者にもアピールしていました。

それにしても、スター牧師たちの、エネルギッシュな説教はものすごい迫力。祈れ、選挙に行けと畳み掛けるんです・・・

でもそういったある意味、わかりやすい人たちではない大多数の牧師は、宗教と政治を一緒にさせたくないという考えがあります。だから、大抵の場合、どちらの大統領候補を支持するかは明かしません。これを明らかにすると、政治の考え方の違いで、最も大切な宗教を分断してしまうからです。

それにしても、トランプ大統領は、「恐怖」を作り出したり、存在していた「恐怖」をうまく使ってトランプ信者を増やしたんだなということが取材を通してよくわかりました。

一話目のQアノンに対しても、(真実ではないですが)世界が貶められているという彼らの恐怖を使っていますし、過激派グループに対しても白人がマイノリティになってしまうことでこれまでの権利が奪われてしまう、という恐怖をよく理解していると感じました。
まだ全部見れてないけど、この特集すごい。アメリカのメディアでもここまで斬り込んだものは多くない。以前のニューヨークからのBLMのレポートも凄かったし、アメリカ発のNPの記事はジャーナリズムの魂を感じる。

にしても、福音派ってとても保守的で敬虔なキリスト教徒なのに、2度離婚してポルノ女優と浮気して下品な発言をしまくっているトランプを支持する理由がやっぱりわからん。
まるでスター歌手のショーのようでした。教会の中に有名な牧師がずらっと並び、祈りつつ、さりげなくトランプがいかに敬虔なキリスト教徒にとって、大切な仕事をしているかを喋りまくる。これは初めて見た光景でした。

結局2時間以上も、このスター牧師たちが続々登場して喋るのに、退席者はほぼなし。アメリカ国民の4分の1とも言われる福音派のパワーを肌で感じました。

福音派の大学にも行きましたが、もう学生レベルで、女性の中絶に反対してるから、トランプの人格がどうであり(笑)、トランプに入れるんだと口を揃えていたことも印象的です。
ここで出てくる福音派の立場とは反対に、自由主義神学と呼ばれる穏健な立場があり、大きくその主張は異なっています。キリスト教と言っても全く違う宗教と言っても良いほどの隔たりがあります。
福音派は、聖書に書いてあるとおりのことこそが正しい(ただし、その主張は全部の聖書を見渡すと矛盾があります)と主張しますが、自由主義神学の立場では、聖書は神が書いたのではなく、そのメッセージを具体的な人間が時代的な制約や自分の置かれた状況の中で書いたものだと考えています。
だから、聖書に出てくる同性愛禁止や奴隷制度などは、そのまま守るべきものではなく、こうした記述をした時代背景を分析しながら、現代における意義を考えるという立場です。
自分は自由主義神学のほうが理解できるのですが、では、どうして福音派がアメリカで一定割合出てきたのか、ということが興味を惹かれます。
大まかにしかアメリカの宗教右派の出現の経緯を知らないのですが、今の世の中は間違っている、だから「抜本的に」社会を変革したい、という思いがあるように思います。そしてそれは、方向性は違えど、一部左派も変わらないかもしれません。
アメリカの社会も日本の社会もたくさんの問題を抱えていますが、それらを何か一つの原理やリーダーの力で解決していくことは実際には困難で、その変革の過程は成果の出ないことも多く、一歩ずつ対話的に進むしかありません。
しかし、そういうことへのいらだちがこうした形で表現されているのだとすれば、その痛みは一体何なのだろうか、社会が抜本的に変わってくれないと嫌だという主張は、実際のところ何を主張しているのか、どのような痛みを負っているのだろうか、ということを考えたくなってしまいました。
多くのバイデンさんへの票が「トランプさんでないから」が理由であるように、多くのトランプさんへの票も「民主党リベラルでないから」が理由なんでしょうねぇ このグループの方々も、一部を除いて、そうお考えの上での支持、という気がしますねぇ

ビデオ中に度々聞かれる、「platform」とという単語に、その信条が現れている気がしますねぇ
今回も面白く拝見しました。エヴァンジェリカルにとっては「トランプ」が絶対ではなく「聖書」に則した政策がとられるかに視点が置かれている点が取材から改めてよくわかりました。

その意味ではトランプ氏自身というよりは、ホワイトハウスの主要スタッフの存在感と宗教的な価値観によるところは大きく、その象徴が娘婿のクシュナー氏であり、妻イヴァンカさんのユダヤ教改宗だと思います。

最後の学者が解説していた福音派の「恐怖感」は焦点の一つで、アメリカ国内でも人種による人口構成が徐々に変わり、それに伴って宗教のバランスも変化が見られるのだと思います。隠れトランプ支持者、世論調査に現れない彼らの票が今回どれだけあるでしょうか。

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