気候危機とグレタと資本主義 若き経済思想家が説く新しい「脱成長」論 | 欧州ニュースアラカルト | 八田浩輔 | 毎日新聞「政治プレミア」
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注目のコメント
松任谷由実事件で話題になった白井聡・京都清華大学専任講師(42)もそうですが、マルクスを取り上げる若手研究者が最近よく取り上げられますね。
「ユーミン批判」の白井聡氏、朝日新聞の言論サイトでは安倍首相に“罵詈雑言”
https://news.yahoo.co.jp/articles/2b9be83aecfbc47cc809f48f4dd997b5619ec8b2
資本主義の行き詰まりに対するオルタナティブを探していくと、どうしてもマルクスに行き着いてしまいがちで、かといってゴリゴリのマルクス主義者は使い古されてしまったので若手による新風が求められている、といった所でしょうか。
しかし、マルクスがいかに慧眼の持ち主だったとしても、当時起きていた現象としての資本主義と、現代のそれとでは、テクノロジーも産業構造もメディアの役割も国際政治の秩序も大きく異なります。
「人新世の「資本論」」は私も期待して読んだのですが、マルクスの未発表ノート研究"MEGA"の紹介はなる程と思う一方で、マルクスが公開しなかった「本音」に迫ることと、現代においてそれが重要か否かという所は関係なくあくまで歴史学として位置付けるべきで、それを規範的な解釈で現代に生きるかの様に説明する事は残念だな、別問題だなと思いながら読みました。
気候変動もマルクスも、結局は「脱成長コミュニズム」という筆者の(わずかな)主張の権威付けに使われていて、その意味において全編ずっとエクスキューズの様に思えました。
マルクスを権威だと思う人にとっては、これで良いのでしょうけれど、私の様な人間にとっては、マルクスが過去に何を言ってようが、興味の観点からは評伝でしかないです。もしマルクスが最晩年に主張を覆した証拠が出てきたら、斎藤氏は主張を変えるのでしょうか。
それで最後は最近環境派に流行りのチェノウェスの「3.5%理論」(3.5%が動けば社会が変わる)と言われてしまうと、そこに希望を見出したいのはわかるものの、なんだかなと思ってしまいます。
まだ、過去と今の違いとしてのテクノロジーに注目した社会変革論のである液状民主主義や暗黒啓蒙、加速主義の方が現実的に思えてしまいます。
イエール大・成田悠輔助教授「選挙も政治家も、本当に必要ですか」
https://newspicks.com/news/5324829/