(ブルームバーグ): 新型コロナウイルス危機に見舞われた世界で1人当たりの資産は今年に入り減少したが、中国とインドでは家計資産が増加した。

クレディ・スイス・グループが22日発表した2020年グローバル・ウェルス・リポートによれば、各国政府や各中央銀行が新型コロナ対策を打ち出したことで、世界の資産は1-3月(第1四半期)の当初の落ち込みから回復し、6月までに1兆ドル(約105兆円)増えた。2019年末は399兆2000億ドルだった。

経済の持ち直しにつれ、世界の富の創造は来年回復する見込み。ただコロナ感染が広がり続ける米国の低迷が響き、北米は例外だとしている。北米の成人1人当たりの資産は今年5%減り、2021年もそれに近い水準にとどまるという。

今年1-6月(上期)に中国とインドでは家計資産がそれぞれ4.4%、1.6%増えた。中南米は13%減と、最も大きく減少。通貨安が国内総生産(GDP)減少を悪化させた。

成人1人当たりの資産は平均で年初の7万7309ドルから7万6984ドルに減少。スイスとオランダ、台湾、香港は増えたが、ノルウェーと英国が最大級の減少となった。

原題:China Gets Richer as Virus Drags on U.S., Credit Suisse Says (1)(抜粋)

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