[23日 ロイター] - 中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)[HWT.UL]の第3・四半期決算は、売上高が3.7%の増加にとどまり、今年前半の2桁の伸びから大幅に鈍化した。

米輸出規制や新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で、スマートフォンや通信機器などの製品の販売が伸び悩んでいる。

ロイターの算出によると、第3・四半期の売上高は前年同期の2095億元から2173億元に増加した。

ファーウェイが発表した1─9月の売上高は6713億元(1004億ドル)。前年同期から9.9%増加した。同社は部門別の売上高を公表していない。

1─9月の純利益率は8.0%。前年同期は8.7%だった。

米国の規制により、ファーウェイはこの春から米国製ソフトウエアや半導体製造装置を事実上得られなくなった。

同社は「Kirin」というチップを開発・製造していたが、コンシューマー・ビジネス・グループ最高経営責任者(CEO)のリチャード・ユー氏は今年に入り「Kirin」の製造を近く停止するとの見込みを示した。アナリストは「Kirin」の在庫が来年には尽きると予想する。

ユー氏は22日、旗艦スマートフォンの新モデル「Mate40」を発表した。Mate40は5nmプロセスで製造された「Kirin 9000」チップセットを搭載する。このレベルのスマホはMate40が最後になる可能性がある。9月には米規制を巡り、新たなモデルが手に入らなくなるとの懸念から中国国内で駆け込み需要が見られた。

しかし、海外では、グーグルモバイルサービス(GMS)へのファーウェイのアクセスを禁止する米規制などにより、販売が低迷している。

カナリスのリサーチ担当者モ・ジア氏は、Mate40は中国で販売が伸びると予想する一方で供給網の問題がでてくると指摘。

「Mate40は大半が中国国内向けの出荷で、販売は問題ないだろう。ただ、Kirin 9000シリーズを搭載した端末の生産は限られ、出荷数に影響がでてくる」と述べた。

ロイターは先週、ファーウェイがスマートフォン事業のうち「Honor(オナー)」ブランドの部分売却を巡り、神州数碼(デジタル・チャイナ)<000034.SZ>など複数社と協議していると伝えた。

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