経団連、来春闘「脱横並び」強調 最低賃金引き上げ慎重に、報告案
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春闘という立て付け自体が既に機能していない。
一方で、ジョブ型への移行という掛け声は大きいけれど、そうなったら労働組合も企業別ではなく産業別になるでしょう、という点は殆ど議論されていない。「横並び」は、高度経済成長の時代に、現実となっていたが、もうオイルショック後の70年代半ばには、実質、そうはできない経済環境となっていた。
経団連は、業績格差があるので、賃上げはそれぞれにというなら、こと賃金政策に関しては、存在意義がないと言わざるを得ない。
少なくとも、日本経済における賃金の位置付けに対して、連合と問題意識を積極的に共有する努力をしたらどうか。その上で、それぞれの企業の体力に応じて・・ではないのだろうか。
しかし、労働の対価の賃金について、正当な価格として支払わなければ、労働人口減少社会において、人材確保の面から経営の持続可能性は確立できない。『「自社の状況に適した賃金決定を行うことが極めて重要だ」と強調し、横並びの賃金を否定』 (・・;ウーン
組合員の立場で就職した人が経営層に上り詰めることは我が国以外では考え難いところですが、年功序列終身雇用の我が国では、新卒で入社した組合員がやがて幹部になって組合を離れ、遂には経営層からトップに上り詰めるのが普通です。だから経営者は業績が良ければ組合員に報いようとするし、組合も終身を託す企業の経営が苦しければ要求を抑えるのが通例です。
一方、流動的な雇用市場で、同一労働同一賃金で働くのが当たり前の諸国では、職種別、産業別の組合が、個別企業の事情に拘らず、同一職種、同一産業なら同一の賃金を目指して闘争します。
そう言う意味では、企業内組合主体の我が国で企業横並びの賃金決定が為されるのは理屈に合わないのですが、我が国に成長力があって護送船団方式で全ての企業が守られている時代には、先を行く企業が底辺に配慮しつつ賃金の水準を決め、あとは右へ倣えということができました。冒頭の一文は、それが無理になったということでしょう、たぶん。
そうなると次に起きるのは、同一職種、同一産業内で同じ能力を持つ人材は、個別企業の「自社の状況」に拘らず、所属する職種と産業の水準に従って横並びで処遇される普通の国の普通の賃金決定への移行かも。業績を上げることが出来ない会社にとって、これ、日本型の横並びを守る以上に厳しいことかもしれません。こういった動きを経て、我が国は、真のJOB型雇用に向かって行くのでしょうね・・・ (・・