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「人為的に感染させる」という行為は、重大な倫理的な問題を含みます。
この研究を行うべきかどうかは、感染が被験者の健康に及ぼすリスクと、試験の結果が公にもたらすベネフィットを天秤にかけたうえでの判断ということになります。リスクを最小限にするために被験者は重症化リスクの低い「健康な若年者」である必要がありますが、若年者でも時々後遺症がみられることを考えると適切なリスクの評価は難しいと思います。実際に行われるのであれば歴史的な臨床研究になるでしょう。
「ヒトチャレンジ試験」の意義について補足します。これは、流行早期から議論されていたもので、米国ではインフルエンザを用いた同様の試験がすでに行われています。英国でこれが行われればコロナウイルスに関しては世界初ではないかと思います。

チャレンジ試験では、少数の被験者を対象とし、ワクチンを接種した人、偽のワクチンを接種した人に分け、ワクチン接種後に鼻などから新型コロナウイルスを投与して人為的に感染を生じさせます。

最大のメリットは、一斉に被験者を感染させるので、少数の被験者で、短期間に確実なワクチンの効果判定ができるという点です。また感染のタイミングが明らかで、感染から発症、治癒に至るまでウイルスの動向を事細かに追うことができます。従来行われている臨床試験のように数万人規模を巻き込む必要がないので、用いたワクチンの安全性に問題があった場合にも、被害者を少なくできるというメリットもあります。

一方、若い健康な人を対象にしたとしても、わずかな確率で重症化しうるウイルスを人為的に投与すること自体には倫理的問題もあります。

また、若い被験者少数限定で行うことが想定されるため、その試験結果をもって高齢者や持病のある人にも適当できるか、には疑問符がつき、結果を広い世代に一般化するのは難しくなります。この点を考慮すると、第三相試験に置き換わるものとはなりえません。

なお、このチャレンジ試験、実験動物に対してはすでにコロナウイルスでも複数のワクチンで実施されています。
最近面白かった研究は、パイプでつないだフェレット間で感染が起こるか(つまり飛沫感染ではなく空気感染が起こるか)、というプレプリント。

結論は空気感染する

https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2020.10.19.345363v1
必要ではない事のように聞こえて、必要な事のようにも聞こえます。こういった事に、正しい答えなんてないんでしょうね。