経済効率化を目指さない生き方へ。スマートシティに宿る「人間の可能性」【The UPDATE特別版ダイジェスト】
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各方面からの専門家のご意見、示唆に富んでいます。私はSPEEDAでスマートシティについてのレポートを2本書いています(お勤め先でご契約されている方はSPEEDAにログイン後に検索窓でスマートシティと検索して頂くとヒットします)。
スマートシティはいきなり何かが変わるのではなく、よほどの予算のあるプロジェクトではないかぎりは、やれることろからやっていく実行力とちょっとした工夫の積み重ねだと思います。兵庫県加古川市は日本では地に足に付いたスマートシティのプロジェクトとして評価されていますし、内容も、一つ一つ丁寧に積み重ねて、「日常のちょっと便利」の集合体になる方向に向かっています。
加古川市はすでにある都市をどう変えていくかという「既存都市改修型」のパターン。性質はことなるものの、会津若松市の事例もユニークに進展しています。ストックホルムやバルセロナなどの欧州のスマートシティプロジェクトもこちらに該当します。スマートネーションを標榜するシンガポールは、この2つの要素が混在しています(スマートグリッドは重要であるものの、あまりにスマートグリッド中心に考えるのは少々違うと思っています)
一方で、新興国や先進国の一部では、新たな都市を造り、時代に応じたテクノロジーやライフスタイルをいきなり入れていくという「新規都市造成型」のプロジェクトがあります。こちらは、上手くいくかは未知数なものがすくなくありません。人が自然と集まる場所というのは集まる理由があります。あつまっていないところに街を作り、ここに住んで下さいという方法が上手くいくかどうか。
また、スマートシティでなぜかあまり議論されないのが教育です。まだ子供の教育はリモートで万能にやることは事情に難しいです。とすると、教育機関があるかどうかは非常に重要な要素になります。すくなくとも大学進学が可能で、かつ一定以上の大学に進学ができる水準の教育を提供する中学や高校がなければ定住化が進みにくいと思われます。東京のような大都市は別として、そうでない都市は(特に新規都市造成型のスマートシティ)、人がある程度定住してエコシステムや文化を創り上げなければ、街の魂が育ちません。想定していたものとは全く違う展開になり非常に興奮しました。人間が幸せだと感じるためにはどんな街にしていくべきか。異なる領域でご活躍されるプロフェッショナル達が考える理想の街づくりとは。合わせて本編もお楽しみください!
「スマートシティ化で最も重要なのは、リベラルアーツ」
林さんの「スマートシティ化によって、人間がバカになるのでは?」という問いかけに始まり、世界的な建築家である隈さんが「自分の仕事の限界を感じる」とこぼし、葉村さんが「人間主体の都市へのシフト」を語る。そして、冒頭に書いた栗山さんの一言。
ぜんっぜん中国とかアメリカの話が出てこないまま番組が終わって、正直なところ少し慌てました。論客の方々との視座が違いすぎて…笑 テクノロジー起点で考えていた自分にとって、大変に刺激を受けた1時間でした。
ぜひとも議論の一部始終をお楽しみいただきたい番組から、パンチラインだけギュギュギュとテキストでもお届けします!