[ワシントン 19日 ロイター] - 米大統領選候補による最後のテレビ討論会を22日に控え、討論会の実行委員会は、第1回討論会の混乱を教訓に、各テーマの冒頭2分間は話し手でない候補のマイクをミュート(消音)設定とし、話を妨害できないようにすると発表した。

同委員会は、9月29日の前回討論会で話し手でない候補の発言で議論がたびたび中断したことを受け、ルール変更が必要になったと説明。「両陣営と協議したが、どちらもきょう発表した措置に完全に満足しないかもしれない」とした上で、「われわれは新たな措置によって適正なバランスが取られ、討論会を視聴する米国民の利益にかなうと考える」と明らかにした。

新たなルールでは、討論会で各テーマについて候補がそれぞれ意見を述べる際、冒頭の2分間は話し手でない候補のマイクをミュートにする。各テーマの討論時間は15分。討論会はテネシー州ナッシュビルで行われる。

トランプ大統領の陣営はルール変更に反対を表明したが、討論会には参加する意向を示した。

トランプ陣営の選挙対策本部長、ビル・ステピエン氏は「実行委員会は好んでいる候補者を有利にしようと再び試みているが、こうした偏りのある委員会の土壇場でのルール変更にもかかわらず、トランプ大統領はバイデン氏との討論を行う意向だ」と述べた。

バイデン陣営は現時点でコメントの要請に応じていない。

トランプ陣営はこれより先、公表された討論会のテーマについても、外交政策により焦点を当てるべきだと不満を示し、実行委員会をバイデン氏寄りと批判した。

バイデン陣営は、討論会のテーマは司会者の選択に任せることで両陣営が合意しているとし、各種調査で有権者の関心が最も高いと示されている新型コロナウイルス対応を巡る討論をトランプ氏は回避しようとしていると指摘した。

*内容を追加しました。