2020/10/21

【解説】ゼロからわかる2020年ノーベル経済学賞

NewsPicks 金融ジャーナリスト
今年のノーベル経済学賞は、日本の社会にとって実にタイムリーな内容になった。
スウェーデン王立科学アカデミーは10月12日、米スタンフォード大学のポール・ミルグロム教授とロバート・ウィルソン名誉教授に2020年ノーベル経済学賞を授与すると発表した。
写真:AFP=時事
受賞理由は、「オークション理論の改良と新たなオークション形式の発明」。電波の周波数の割り当てといった、実際に行われたオークションでの実績が評価された。
テレビ局や通信事業者などに割り当てられる周波数帯の利用権を入札にかける電波オークションは、日本でも数年来、議論が続けられてきた。10月13日にも、加藤勝信官房長官が「総務省で引き続き検討していくことが適当」と発言している。
では、世界中で活用されているオークション理論とはどんなものなのだろうか。
受賞者の2人と同じスタンフォード大学経済学部で教授を務め、今年、東京大学経済学部の教授に就任した経済学者の小島武仁氏に聞いた。
小島武仁(こじま・ふひと)/ 経済学者、1979年生まれ。2003年東京大学経済学部卒業。2008年にハーバード大学経済学部博士。イェール大学(博士研究員)、スタンフォード大学(助教授、准教授、教授)を経て2020年より東京大学経済学部教授。東京大学マーケットデザインセンター所長。専門分野は、ミクロ経済学理論、ゲーム理論、マーケットデザイン(写真:呉 太淳)

オークション理論とは