[ニューヨーク 16日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドル指数が小幅安となった。ただ、週間では新型コロナウイルスの世界的な感染再拡大や米国の追加コロナ対策を巡る懸念などを背景に上昇した。

この日発表された9月の米小売売上高は、前月比1.9%増と市場予想の0.7%増を上回った。これを受け、ドル指数は下げ幅を一部縮小した。

ドル指数<=USD>は0.1%安の93.676。週間では0.7%上昇し、上昇率は過去3週間で最大だった。

新型コロナの感染再拡大を抑制するため、米中西部や欧州では新たな制限措置が導入されており、コロナ禍からの経済回復が鈍化すると不安視されている。

米国の追加コロナ対策を巡る協議も依然として進展していない。

米財務省は16日、2020年会計年度(9月30日まで)の財政赤字が過去最悪の3兆1320億ドルに達したと発表した。大規模な新型コロナウイルス対策を導入したことで、これまでの過去最悪だった09年度(1兆4160億ドル)の2倍を超える水準に膨らんだ。

ウエスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズのシニア市場アナリスト、ジョー・マニンボ氏は「新型コロナ、刺激策、米経済、間近に迫る米大統領選という4つの懸念の中で、市場の楽観的な見方は今週後退し、ドルの追い風になった」と述べた。

安全通貨である円<JPY=EBS>は今週、対ドルで0.2%上昇する見込み。安全通貨を選好する動きは依然として強い。

キャピタル・エコノミクスのシニア米国エコノミスト、マイケル・ピアース氏は、米小売売上高について「9月の予想を上回る伸びは、米経済の勢いが想定以上に第4・四半期も持続することを示唆し、今夏の失業給付期限切れが経済に悪影響を与えるとの懸念を払拭する」と指摘。「ただ、新型コロナの感染再拡大を考慮すると、国内総生産(GDP)成長率見通しを早々に上方修正することはない」とした。

ポンドは荒い値動きの中、序盤の上昇を吐き出した。ジョンソン英首相は16日、欧州連合(EU)が根本的に方針を変更しない限り、通商合意のないまま離脱する準備をする時だと述べ、これ以上の交渉は意味がないという強い不満を示した。

ドル/円 NY終値 105.40/105.44

始値 105.28

高値 105.43

安値 105.23

ユーロ/ドル NY終値 1.1718/1.1722

始値 1.1717

高値 1.1745

安値 1.1714