[東京 16日 ロイター] - 日銀の若田部昌澄副総裁は16日、金融政策を一段と緩和する必要があると判断した場合、拡張可能なツールやプログラムを多数保有していると述べた。

日銀が為替レートを直接目標にすることはないが、為替の動きは日本経済に「極めて重要な」要素で、注意深く見ていると指摘。「インフレのダイナミクスが為替動向によってさらに侵食されたり、弱められると判断すれば、政策的措置を取ることを考えるべきだ」とセミナーで語った。

積極的な金融緩和を提唱する若田部氏は、超緩和的な金融政策を長期にわたり維持できることが、これまでの経験で示されていると述べた。

ただ、中央銀行に流動性供給はできても、実際の消費はできないと指摘。日銀と政府が2013年に合意した共同声明は、各国の中央銀行と政府の間の「適切な分業」のあり方を考える上で興味深く有益な示唆があるとし、「新型コロナウイルス危機に対処し、適切な分業を確実にするには、2013年の共同声明のような取り決めを各国中央銀行と政府(訂正)が合意することが必要になるかもしれない」と述べた。

また、日銀はマイナス金利深掘りの可能性を排除しないとも表明。ただ、利回り曲線の全体の形に及ぶ影響を考慮する必要があるとした。

*第4段落の「日銀と政府」の部分を「各国中央銀行と政府」に訂正しました。