[東京 16日 ロイター] - 前場の東京株式市場で、日経平均株価は前営業日比16円14銭高の2万3523円37銭となり、小反発した。前日の米国株式相場が軟調で日経平均も朝方は小幅安で取引スタートしたが、その後は好決算を発表したファーストリテイリング<9983.T>が最高値を更新し、日経平均を100円ほど押し上げた。

ただ、ファーストリテの大幅高を除いては特に大きな材料も見当たらず、動意薄の展開となった。

TOPIXは0.28%安で午前の取引を終了。東証1部の売買代金は8230億円と薄商いが続いている。東証33業種中、医薬品、不動産業、陸運業、ゴム製品など23業種は値下がり、海運業、証券業、鉄鋼、電気・ガス業、倉庫・運輸関連業など10業種は値上がりした。

市場の関心は、米大統領選の行方に加え、欧州での新型コロナ感染再拡大に集まる。野村証券のエクイティ・マーケット・ストラテジスト、澤田麻希氏は「欧州での感染拡大に関するニュースが場中に出てくると、景気回復への懸念から売りが先行する可能性がある。米国の大統領選挙の行方や企業決算を見極めたい思惑から、引き続き動意に乏しい展開が予想される」と話した。

個別では、ファーストリテイリングが上場来高値を更新。出前館<2484.T>も23%を超す上昇となり年初来高値を更新した。15日に、2020年8月期連結決算で売上高が前年比54.6%増の103億円、純損益は41億円の赤字だったと発表した。積極的な事業展開や投資で赤字幅が拡大したとし、マーケットは先行投資に積極的な姿勢を好感した。

東証1部の騰落数は、値上がり938銘柄に対し、値下がりが1092銘柄、変わらずが133銘柄だった。