• 酸化工程

前回は、8つの半導体製造の工程のうちの最初にあたる「ウェハ工程」を紹介し、小さな砂粒がどのようにして半導体の始まりであるウェハに変わるのかを説明しました。

今回は、2つ目の工程、「酸化工程」について説明します。同工程では、ウェハの表面を覆う保護膜を作ります。

  • 酸化工程

酸化工程とは? 二酸化ケイ素(SiO2)層とは?

  • 酸化工程

ウェハ工程で作られたウェハを半導体にするには、さまざまな物質を塗布および除去する複数の工程を経る必要があります。こうした工程の前に、ウェハを保護するための二酸化ケイ素(SiO2)層を作ります。二酸化ケイ素層は、化学的な不純物からウェハを保護して、リーク電流が回路間を流れないようにするものです。また、イオン注入段階における拡散を防止し、エッチング工程中でウェハが誤って除去されないようにします。

酸化工程の処理と方法

  • 酸化工程

酸化工程は、不純物と汚染物質をウェハから取り除くことから始まります。合計4ステップを経て有機物や金属物質などの不純物を除去し、残った水分を乾燥させます。

次に、800℃から1200℃の高温でウェハ表面に酸素または水蒸気を流すことによって、二酸化ケイ素(または単に「酸化」)層を作ります。このように、酸化層とシリコン基板の間の界面に酸素が広がり、ウェハの表面が酸化層になります。この工程が完了したら、酸化層の厚みが測定できます。

ドライ酸化とウェット酸化

  • 酸化工程

熱酸化は、酸化反応に使用する酸化剤によってドライ酸化とウェット酸化に分けられます。ドライ酸化は、純酸素ガスを使用して二酸化ケイ素層を作ります。成長は遅いものの、薄くて高密度の層になります。ウェット酸化は、酸素と高溶解度の水蒸気の両方を使用します。成長は早いものの、厚みのある低密度の層になります。

二酸化ケイ素層形成におけるその他の可変要素

二酸化ケイ素層の厚みは、酸化剤以外にも複数の可変要素によって変化します。まず、ウェハの構造、ウェハ表面の傷、およびウェハの不純物濃度が層の成長速度に影響を及ぼします。また、酸化工程に使用する装置の圧力と温度が高いほど、層の成長が早くなります。装置内のウェハ位置に起因するウェハの損傷と酸化の度合いの差を減らすために、ダミーウェハを使用します。

今日は、半導体製造の主な8工程の2番目、酸化工程を紹介しました。酸化工程でよく使われる用語を以下で説明します。次回のフォト加工も、どうぞお楽しみに。

酸化工程関連用語

  • 二酸化ケイ素層:シリコンが酸素と反応して形成される薄い膜である二酸化ケイ素膜は、単に酸化層とも呼ばれています。
  • ダミーウェハ: ウェハが損傷しないようにするための消耗品としてのウェハで、工程によってさまざまな形で使用されます。酸化工程では、酸化剤によるウェハの損傷を防止するためにボートの両端に設置します。
  • 酸化剤:他の物質を酸化させると同時に、酸化還元反応において元のものを還元する物質です。ドライ酸化では酸素ガスが酸化剤として使用され、ウェット酸化では酸素ガスと水蒸気が酸化剤として使用されます。

    (次回は11月に掲載します)