米イーライリリー、コロナ抗体医薬の治験一時中断 安全に懸念
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イーライリリーの作製する薬剤は「モノクローナル抗体」と呼ばれる種の薬剤です。
回復期血漿や血漿分画製剤と呼ばれる治療では、過去の感染者の血液の一部を投与し、そこに含まれる抗体を活用するのに対して、「モノクローナル抗体」製剤は、抗体を工場で複製して薬剤にしたものです。このため、前者と比べてスケールしやすいという利点があります。
米国での報道によると、「安全に懸念」ではなく、「二群間の背景データに差があった」ことが判明したという理由での中断のようです。ただし、それ以上の詳細は公表されていませんので、続報を待ちたいと思います。どんなクスリにもリスクがあることは、医療を学ぶ道で必ず教えられる。
今回中断されたのは、イーライリリーとカナダのアブセレラ・バイオロジクスが共同開発するモノクローナル抗体薬「LY-CoV555」の治験。
モノクローナル抗体は、基本的な抗体種は1種類だけであるが、それを作成・精製する上でも夾雑物が入り得る。特にマウスから調製することが多く、マウス由来の何かとか。
モノクローナル抗体自身による異常か、夾雑物による異常かを慎重に見極めるということでしょう。