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カメラでボケ感を操ってカッコいい写真を撮るための「F値」と「絞り」の使いこなし方

2020.10.09

カメラの撮影方法を学んでいると、「F値」「絞り」といった言葉を必ず目にすることでしょう。今回はビギナーの方に向けて、F値の概要と、ボケを活かした写真やカッチリとした写真を撮るための絞りの使いこなし方を紹介します。

カメラの「F値」とは?

F値とは、カメラの「絞り」機構による穴の開き具合(大きさ)によって取り込まれる光の量を示した数値。絞り値とも呼ばれます。

少し難しく感じるかもしれませんが、考え方はシンプル。レンズの中には、光を取り込む量を調整する「絞り羽根」があります。絞り羽根は“くの字”型をした金属および樹脂製の板を重ねたもので、これを動かすことで穴の大きさを調節します。

穴が大きくなればカメラは光をたくさん取り込めるので、明るく撮ることが可能に。逆に穴が小さくなれば光の量は減り暗くなり、広い奥行き(深さ)でピントが合うようになります。

一般的に、穴を狭めることを「絞る」「F値(絞り値)を大きくする」、穴を広げることを「絞りを開く」「F値(絞り値)を小さくする」、そしてF値を最小にすることは「絞り開放」といいます。なお、F値の最小値はレンズによって異なります。

F値はレンズの焦点距離を有効口径で割った値! F値の計算式を紹介

F値は「F値=焦点距離÷有効口径」で導くことができますが、計算式を覚えなくても撮影に支障はありません。

「F値を1段小さくすれば光の量が2倍になる」「1段大きくすれば光の量は1/2倍になる」、これは最低限、覚えておきましょう。

カメラのF値の変え方と写り方の違い

F値(絞り)を変えることで、写真の明るさと被写界深度(ピントの深さ)をコントロールできます。デジタルカメラでF値を操作するには、「絞り優先モード(AモードやAvモード)」「マニュアルモード(Mモード)」を使いましょう。

絞り優先モードの場合、F値とISO感度は任意の数値に設定できる代わりに、シャッタースピードはカメラが自動的に決定します。

F値を変えると明るさが変わる

前述したように、F値(絞り値)を小さくすると絞りの穴が広がり、多くの光を取り込むことができます。以下の写真はマニュアルモードでF値のみを変えて撮影しました(ほかの数値は固定)。

左写真はF値最小(f/2.8)、右はf/7.1で撮影。同じ条件下で撮影すると、F値が小さいほうが写真は明るくなります。

ただし、写真の明るさを決めるのは絞りだけではありません。右の写真もシャッタースピードやISO感度を変更すれば、左の写真と同じような明るさで撮ることが可能です(詳しくは後述)。

絞り開放で写真がボケる!? F値を変えると被写界深度(ボケ感)が変わる

F値(絞り値)は、「被写界深度」にも影響します。被写界深度とは大まかにいうと、ピントが合っているように見える範囲。「ボケ感」と考えても良いでしょう。

下の写真は絞り優先モードで撮影しました。絞り以外の数値も変更して、3枚の画像の明るさを揃えています。

F値は左から、f/2.8(開放)、f/8、f/22。F値が小さいとピントを合わせた位置以外のボケ感が強くなり、F値が大きいと全体的にピントが合っているように見える、カッチリとした写真になります。例えば集合写真で人が前後に並ぶ場合は、F値をある程度上げたほうが全員の顔がぼやけずにくっきり見えます。

なお、ボケ感を決めるのはF値だけではありません。

こちらの2枚は絞り開放(F値最小)で撮影していますが、ボケ感はあまり感じられないと思います。ボケ感のある写真を撮るには、「奥行きのある構図で撮る」「望遠レンズで撮る」こともポイント。左写真のような平面的な構図や、右のような広角で撮った写真は、ボケ感が感じにくくなります。

光芒を出す!? 玉ボケを作る!? 夜景撮影で便利なF値活用テクニック

F値をうまくコントロールできると、様々な表現で写真を撮ることができます。例えば夜景撮影です。F値を大きくして絞り込むと、点光源から放射線状の光の筋(光芒)を出すことができます。

光芒の数はレンズの絞り羽根の数によって左右され、羽根が偶数なら同数の、奇数なら羽根の2倍の光芒が現れます。例えば絞り羽根が8枚なら光芒は8本、絞り羽根が7本なら光芒は14本となります。

ただし、夜間撮影でF値を大きくしすぎると暗くなったり、シャッタースピードが遅くなってブレるので注意。三脚を使って手ブレを防ぐか、ISO感度を上げて対応しましょう。

また、背景やレンズの手前などのボケる位置に点光源やイルミネーションを入れることで、「玉ボケ(玉状のボケ)」を撮ることも可能。玉ボケは夜景以外でも使えるテクニックです。

玉ボケを作るには、絞りを小さく設定し、光源にピントが合わないように撮るだけ。「小さいF値」「望遠」「被写体に寄る」「被写体とボカす対象の距離を離す」ことで、大きくボケます。

スマホのカメラでもF値は変えられる?

スマホカメラは絞り羽根を備えていないため、一部機種を除いてほとんどのカメラのF値は固定されています。

近年では、f/2前後のカメラを備えた明るく撮れるスマートフォンも多いです。また、絞り羽根を備えていなくとも、被写界深度を調整してボケ具合を変えられる機能を備えた機種もあります。

【カメラの基礎知識】F値だけじゃない! 明るさを決める「絞り」「ISO感度」「シャッタースピード」

写真の明るさは、「絞り(F値)」「シャッタースピード」「ISO感度」という3要素のバランスでコントロールできます。今回は絞りを中心に解説しましたが、最後にシャッタースピードやISO感度についても簡単に触れていきます。

【カメラの基礎知識】センサーに当たる光の量を調整! 「シャッタースピード」とは?

シャッタースピードとは、カメラ内部のセンサーの前にある「シャッター幕」の開く時間を表しています。

カメラは幕が開いている間にセンサーに光が当たるという仕組みのため、シャッタースピードが遅くなれば光の量は多くなり、速くなれば光の量は少なくなります。

カメラのシャッタースピードの変え方・設定方法

カメラのシャッタースピードを変えるには、「シャッタースピード優先モード(Sモード、SSモード、Tvモードなど)」か「マニュアルモード」を使います。

シャッタースピード優先モードの場合、シャッタースピードとISO感度は任意の数値に設定できる代わりに、F値はカメラが自動的に決定します。

【カメラの基礎知識】画質に影響する「ISO感度」とは?

ISO感度(イソ感度、アイ・エス・オー感度)とは、センサーが光を捉える感度を表した数値。数値が大きいほど感度が高くなり、明るく撮れます。感度を上げると暗所でも明るく撮ることができるので、シャッタースピードを上げたい時にも便利。

ただし、数値を上げすぎると写真がざらついたり、画質に影響が出ます。上の写真は2枚とも夜間に絞り開放で撮影。左は感度25600、右は感度1250です。右写真のシャッタースピードは1/8秒のため、風が吹くと花がブレてしまいます。

カメラのISO感度の設定方法

ISO感度は原則、どのモードでも任意の数値に設定できます。設定方法は機種によりますが、自動設定にしたい場合は「オート」にしましょう。

※データは2020年9月中旬時点での編集部調べ。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するものではありません。
※製品のご利用、操作はあくまで自己責任にてお願いします。

文/bommiy

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