2020/10/10

重症化の新たな手がかり。コロナと「脳症」の関係に注目

The New York Times

3分の1の患者の「精神機能」に異変

アメリカで新型コロナウイルスに感染して入院した人々を対象に、その神経症状について実施されたこれまでで最大規模の調査で、患者の3分の1近くの精神機能に変化(混乱やせん妄、無反応など)が見られたことがわかった。
米科学誌「Annals of Clinical and Translational Neurology」に発表された研究報告によれば、精神機能に変化が見られた患者は、そうではない患者に比べて経過が著しく悪かったという。
研究では3月5日から4月6日にかけて、シカゴ地域にある医療研究機関ノースウェスタン・メディシン系列の10の病院に入院した患者509人の記録を調べた。
精神機能に変化をきたした患者は、そうではない患者に比べて入院期間が3倍だった。
また研究報告の上席筆者でノースウェスタン・メディシンの研究主任(神経感染症およびグローバル神経学部門)であるイゴール・コラルニック博士によれば、精神機能に変化があった患者のうち、退院後に料理や請求書の支払いなどの日常活動ができた者はわずか32%だった。
これに対して、精神機能が変化しなかった患者は89%が自力でそれらの活動を行うことができた。
(Erin Schaff/The New York Times)

死に至る可能性が7倍に