【開催終了】激変する「仕事選び」の新基準を学ぶイベント

2020/10/12
☑NewsPicks LIVE 参加者募集
☑「JobPicks」ローンチ予告対談
 コロナ・ショック後、私たちの働き方は急速に変化しています。従来からの人事制度では変化に対応できないことを受け、「ジョブ型雇用」へのシフトに乗り出す大企業も増えはじめました。
 これまで当たり前だった日本型雇用を前提としたキャリア観は、これからの社会で通用しなくなるかもしれない。われわれは今後、どんな基準で「仕事」を選び、自分のキャリアを構築していくべきなのでしょうか?
 そこで、NewsPicks LIVEでは10月26日(月)に「自分にとっての『いい仕事』とは?」と題した、学生&新社会人向けのオンラインイベントを開催します。
──コロナ禍を受けて、大企業の「ジョブ型雇用」へのシフトが進んでいます。背景にどんな理由が?
佐藤  終身雇用、年功序列に代表される昔ながらの「日本型雇用」がいよいよ限界にきたということですね。
 ジョブ型雇用とは、簡単に言えば、報酬や待遇が「人」ではなく「仕事」に紐づく雇用のあり方です。
 業務内容に応じたジョブディスクリプション(職務記述書)で定める職能を備える人材を雇用・配置して、そのパフォーマンスを評価するという、海外では一般的な人事制度です。
 導入する企業側の事情はいろいろですが、なかでも大きな理由が3つあります。
佐藤留美(NewsPicks 副編集長)
 ひとつは、大企業にとってのグローバル対応です。日本型雇用の国内本社と、昔からジョブ型雇用で人材マネジメントをしている海外支社とで、人事制度がバラバラになっている不公平さを是正しようという動きです。
 ふたつめは、いわゆる年功序列が色濃い企業に多い「仕事内容に対して給料が高すぎる社員」に対して、これを適正化していくフェアな評価制度としての需要です。
 最後に、リモートワークへの移行が急激に進むなかで、ジョブの定義が明確になっていないために、「誰にどの仕事を任せればいいかわからない」という現象への対応も求められています。
 そういった諸々の課題の打開策として、多くの企業がジョブ型雇用に注目しはじめているわけです。
 とはいえ、「新卒一括採用」と「終身雇用」を前提に構築されてきた日本の慣習や法制度とのすり合わせが上手くいくかは、今後の課題といえます。

ジョブ型雇用の先に「いい仕事」は見つかるか

──ジョブ型雇用が広まれば、昔ながらの日本的なキャリアプランは通用しなくなる?
伊藤  ほんの一部の企業を除けば、「有名な大企業に総合職で入り、ゼネラリストとして経験を積んでいく」というキャリアプランは、今後は成立しないでしょう。
 いわば「自分のキャリアをすべて会社に委ねる」という生き方は、雇用の流動性がますます高まっていく今後においては、リスクが高すぎます。
 ジョブ型雇用が広がれば、良くも悪くも自律的なキャリアプランを描きやすくなります。自分から積極的にスキルを磨き、情報を集めることで、思いもかけないようなキャリアチェンジの可能性も増えると思います。
伊藤健吾(NewsPicks 編集者)
──これから就職活動をする学生や、今後のキャリアに悩むビジネスパーソンにとっては、どんな「キャリア観」の変化が求められるのでしょう?
佐藤  一番のポイントとして、「会社」ではなく「職(ジョブ)」を軸にキャリアを考えるべき時代になった、ということを理解してもらいたいですね。
 ジョブ型雇用の市場では、同じスキルで同じ仕事を続けるだけなら、40歳になっても50歳になっても待遇が変わらないことも十分ありうるわけです。
 就きたい仕事のジョブディスクリプションと見比べながら、常に新しいスキルを学んでいくこと。情報収集とトレーニングの繰り返しが求められるようになると思います。
 そうやって自分のエッジはどこにあるのか? を探りながらキャリアプランを描いていくという動きが、今の若者世代にとっては当たり前になっていくはずです。
──働き続ける限り、学び続けることが求められる。より厳しい競争社会になる?
佐藤  だからこそ、自分自身で「その仕事をする意義」を見出していくことがより重要になると思います。
 「会社選び」ならブランドや待遇で選択しても問題はないけれど、会社を離れても続けていく「職選び」には、自分は何ができて、どんな仕事がしたいのか? という自律的なモチベーションが問われるようになります。
 仕事を通じて、社会にどんな貢献がしたいのか。どんな課題を解決したいのか。理由はなんでもいいけれど、自分自身が「何のために働くのか」という意味づけが問われる状況はどんどん進むと思います。
 他人と比べるのではなく、自分にとっての「いい仕事」を見つけることが、これからのキャリア観の軸になるはずです。

NewsPicksから生まれる新サービス

──今回のイベントと同時に、NewsPicksから「NP版キャリアメディア(仮称)」が登場します。
佐藤  この新サービスは経済メディアNewsPicksの編集記者が作る「キャリア系メディア」です。
 あくまでもメディアで、求人サービスではありません。企業の採用支援をするわけではないし、ユーザーを転職させたいわけでもないんです。
 基本コンセプトとして、ユーザーに「自分にとっての仕事の意味」を発見してもらいたい、自分が力を発揮できる「いい仕事」で働くことが楽しいと思えるようにしたいんですね。
 日本の雇用を取り巻く環境がどんどん変わっていくなかで、学生や若い社会人はもちろん、あらゆる人にとって「自分のキャリアを考えるための武器」を提供したいという思いで準備を進めてきました。
伊藤  僕自身は編集者として、「新しいものを作る人を応援したい」というポリシーがあって、「仕事を通じて新しい何かを作る!」という人を一人でも増やしたいんですね。
 世の中には本当にいろいろな仕事ありますが、各職種で“クリエイティブな余白”というか、何か新しいものを創造できる部分が絶対にあると思っていて、そこが面白さだと思うんです。
 だから、その創造的な仕事の取り組み方や視点について、リアルに学ぶことができるサービスにしたいと思っています。前向きに仕事に取り組める人を一人でも増やせれば嬉しいですね。
(取材・編集:呉 琢磨 デザイン:小田稔郎)