[ワシントン 8日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)は8日、新型コロナウイルス感染拡大を受け、早い段階でロックダウン(都市封鎖)が実施されれば、感染拡大を大幅に抑制でき、その後の景気回復が加速化されるとし、感染が高水準で継続している間は経済活動再開を急ぐべきではないとの見解を示した。

IMFは次回の世界経済見通し(WEO)で、コロナ禍を受けたロックダウンで景気後退(リセッション)が引き起こされたほか、若年層や女性など脆弱な状態に置かれていた人々が最も大きな痛手を受けたとしながらも、感染拡大の抑制に効果があったと指摘。

ロックダウンは十分に厳格である必要があるとし、「厳しいロックダウンを短期間導入する方が、緩やかな措置を長期にわたり導入するよりも望ましい公算がある」とした。

IMFのエコノミスト、フランチェスコ・グリゴーリ氏とダミアノ・サンドリ氏は「公衆衛生に対するリスクへの対処は、力強く持続可能な景気回復への前提条件とみられる」とし、「ロックダウンは短期的な代償を伴うが、感染拡大が抑制されるため、景気回復の加速化につながる可能性がある」とした。

IMFは特定の国を名指ししていないが、米国ではトランプ政権の下で早期にロックダウンが解除され、感染が急拡大。米国に次いで感染件数が多いインドも、感染拡大が継続する中で大部分の抑制策を解除している。