GoToイートの錬金術 西村経済再生相が対応協議

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 新型コロナウイルスの影響で客足が減った飲食店への政府の支援策「Go To イート」をめぐり、焼き鳥屋チェーン「鳥貴族」で1品(約300円)を注文するだけで、千円分のポイントがもらえる方法が「トリキ(鳥貴族)の錬金術」とSNSで話題になっている。一部の利用方法が不適切ではないかと、7日の野党合同ヒアリングで取り上げられた。農林水産省の担当者は「いいとも言えないが悪いとも言えない」とあいまいな説明に終始した。

 「Go To イート」では、25%のプレミアム付き商品券を飲食店で使う方法のほかに、オンライン予約でポイントをもらう方法がある。

 問題となったのは、オンライン予約の方だ。「ぐるなび」や「食べログ」など、13のグルメサイトで予約して食事をした場合、客は昼食で500円分、夕食で千円分のポイントをもらえる。ポイントは次回以降の利用に使える。来年1月末までポイントが付与され、3月末まで使える仕組みになっている。

 「トリキの錬金術」としてSNSで話題になったのは、鳥貴族の店をオンライン予約して訪れ、1品だけを注文して食事し、店を出るというもの。鳥貴族のメニューは基本的に1品298円で、税込み327円。「Go To イート」で千円分のポイントがもらえるため、差し引き673円分のポイントがもうかることになる。鳥貴族だけでなく他でもこうした利用は可能だ。

 野党合同ヒアリングでは、立憲民主党山井和則氏が「こういう使い方は問題ないのか」と尋ねると、農林水産省の担当者は「わざわざ予約して1品だけ(食べて)出て行くのは、なかなかないと思っていた」と説明。「現状の話がいいとも思っていないし、悪いともなかなか言いにくい」として、問題だとは明言しなかった。

めぐりめぐってどこかには行く?

 山井氏は「こういう使い方はやめてください、と言わないと。税金でやっているのに」と対応を迫った。

 農水省は今後、検討するとしたものの、「めぐりめぐってどこかの外食産業には行く」とも強調した。つまり客が受け取ったポイントは、別の飲食店で使うことになるので、外食産業全体でみれば支援策になっているという説明だ。

 さらに「飲食店によっては、コースを予約した客だけにポイントを付与したり、下限額を決めたりというやり方もある」として、飲食店に対応をゆだねるような説明に終わった。

 政府の新型コロナウイルス対策を担当する西村康稔経済再生相は7日の会見で「初めて取り組む支援策で、制度設計が100%でなかったかも知れない」と釈明。「公平公正な制度にしていくのが大事だ。多くのみなさんの声を聞き、より良い制度にしていきたい」と述べ、野上浩太郎農水相と対応を協議したという。近く農水省が対応策を示すことも明らかにした。

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