[シドニー 6日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(豪中銀、RBA)は6日、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを0.25%に据え置いた。ただし、新型コロナウイルス禍で大打撃を受けた経済を支援するため、追加措置を講じる可能性を示唆した。
豪中銀は、3月に緊急利下げで政策金利を0.25%として以降、据え置いている。ロイターの調査では、据え置き予想が大勢だった。
ロウ中銀総裁は声明で「理事会は失業率の高止まりへの対応が優先課題と認識している」とし「経済の再開が進む中で、雇用支援につながる追加の緩和措置について引き続き検討している」と述べた。
●追加●ANZバンクは、声明は利下げが迫っていることを示しているとして見通しを変更した。政策金利は来月0.1%に引き下げられるとみている。
●追加●国内4大銀行のうち、ウエストパックとナショナル・オーストラリア銀行も来月の利下げを予想している。
ウエストパックのチーフエコノミスト、ビル・エバンス氏は、労働市場へのフォーカスは、失業の長期化リスクに対する中銀の懸念を示すと指摘。11月会合で、政策金利と3年債利回り目標が0.1%に引き下げられるとの自身の見方を裏付けていると分析した。11月会合では、5─10年債の買い入れにコミットする方針も示される見込みだという。
同氏は「われわれの見方からすれば、きょうの予算案発表を踏まえ、中銀が来月動くことを計画しているということは非常に心強い」と述べた。
中銀は先月の会合で、金利据え置きとターム物資金調達ファシリティーの2000億豪ドル規模への拡大を発表した。
ロイターの先週のエコノミスト調査によると、豪中銀は11月に15ベーシスポイント(bp)利下げし、政策金利を0.1%にするとの見方が大勢となっている。
ロウ総裁は、公的部門のバランスシートは「良好」で、政府が予算に追加支援を組み入れる余地があるとの見方を示した。
その上で「景気見通しと高い失業率予想を踏まえると、財政・金融両面での支援がしばらくの間必要となる」と述べた。
*内容を追加しました。