[ジュネーブ 5日 ロイター] - 米アプリストアで中国系の動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」と対話アプリ「微信(ウィーチャット)」の新規ダウンロードを禁止する米政権の措置は世界貿易機関(WTO)の規則に違反していると中国側が主張していたことが、関係者の話で分かった。

貿易担当当局者によると、中国代表団は2日に開催されたWTOの非公開会合で、米政権の措置は「WTO規則と明らかに矛盾しており、国境を超えた取引サービスを制限し、多国間貿易システムの基本原則と目的に違反している」と指摘。米政権が禁止措置を実施する具体的な理由を示していないことは規則の「明らかな乱用」とした。

一方、米国側は同会合で、禁止措置は国家安全保障上のリスクの軽減が目的と述べたという。

米通商代表部(USTR)からのコメントは現時点で得られていない。WTOの中国代表団の関係者はコメント要請に応じていない。