(ブルームバーグ): 中国の北京字節跳動科技(バイトダンス)が手掛ける動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」を巡り、中国の元外交官がどのようなコンテンツを容認すべきか決めていたと、ティックトックに近い関係者2人を引用して英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が報じた。

FTは削除されたリンクトインのプロフィルを引用し、在テヘランの中国大使館に勤務していた元外交官のツァイ・チェン氏が今年初めまで北京でバイトダンスのグローバルコンテンツ政策チームを運営していたと報道。2018年にバイトダンス入りした同氏は、ティックトックなどのアプリで許容できる動画に関してガイドラインを記していたという。

ティックトックはFTに対し、ツァイ氏は政策立案には関わっていなかったと説明。初期コンテンツ政策のローカライゼーション担当の地域・現地チームに携わる作業を行っていたと述べた。

バイトダンスは「ツァイ氏採用は過去の公的部門経験を踏まえたものではなく、採用プロセスで政府との意見交換はなかった」とFTに説明。FTは同氏からコメントを得られなかった。

FTが関係者を引用して報じたところによれば、ツァイ氏は今年1月にコンテンツ政策担当から異動。それ以降、同氏の職務で後任は置かれていないという。

原題:Former Chinese Diplomat Worked on TikTok Content Policy: FT(抜粋)

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