ホンダ、2021年シーズンを最後にF1からの撤退を発表
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2022年のレギュレーション変更を前にして、来年の撤退は正しい決断。これは、レースファンとしてではなく、自動車産業アナリストとしての意見だ。
多額の開発資金は、CASEに対応する領域に投下しなければ、コロナ禍で加速化するCASEの変容に追いつかない。死ぬ気で構造改革を実施している現在のホンダにとって、「レースで勝つのはホンダだから」というような甘えは許されない。これは、多くの社内抵抗勢力を跳ね返した八郷社長の英断である(若干、遅きに失した感はあるが)。ただ、一レースファンとしては、最後の2021年に奇跡のチャンピオンを実現して素晴らしい幕を下ろしてほしいと願うだけだ。自動車会社にいてモータースポーツの仕事にも関係したことがありますが、従来型のモータースポーツの役割は終わったように思います。
元来、モータースポーツというのは各メーカーが技術レベルの高さを競い、その技術を市販車に展開する役割を負っていましたが、今やモータースポーツ車両と市販車は別モノになっていますから。
もし今後も続けるとしたら、プロドライバーと自動運転AIが競うような新しいステージに進化しなければいけません。結果が出始めていただけに驚いた。社長が「カーボンニュートラルなど将来を見据えてのリソースの活用」と発言している。経営判断としては合理的だし、前向きに捉えたい。ガソリン内燃機関で300キロ以上出すクルマが主流になる未来はもうあり得ない。商用化につながる見込みがないものに年間何百億円も投資し続けるわけにはいかないのだろう。F1ばかりがモータースポーツではない。ハイブリッド車が走るル・マン24時間も面白いし、ワンメイク車を使ってF1より低コスト運営ができるIndyCarだって面白い。