2020/12/3

【BCGDV 平井】「社長失格」、無職になる。最大の反省点は

フリーランスエディター・ライター(Editor,Journalist)
2016年春にBCG Digital Ventures(BCGDV)東京センターの創設をリードし、開設後は同センターのジャパンヘッドに就任した平井陽一朗氏。

20代の頃にコンサルタントとしての腕を磨いたボストン コンサルティング グループ(BCG)へ出戻り、デジタル領域における事業開発で世界に挑む。

7つもの職場を経験してきた平井氏は、「生まれながらにして、飽きっぽい。常に新しいことに没頭したい」と語る。タフなキャリアを切り開いた仕事の哲学とは。(全7回)

オリコン社長からの誘い

2006年、僕はある人の紹介で、オリコンの小池恒社長からランチの誘いを受けました。
当時、世間でブームとなっていた「Web2.0」についてディスカッションしたいという名目でしたので、そのつもりで話をしていると、唐突に「うちの副社長になってくれないか」と言われたのです。僕は32歳でした。
驚きながらも嬉しく、僕の心はすぐに動き始めました。
平井陽一朗(ひらい・よういちろう)/BCG Digital Ventures マネージング・ディレクター&パートナー ジャパンヘッド

1974年東京生まれ。米国の公立高校を卒業後、東京大学経済学部卒業。三菱商事を経て、BCGに入社。その後、ウォルト・ディズニー・ジャパン、オリコン副社長兼COO、ザッパラス社長兼CEOを経て、BCGに再入社。同社パートナー&マネージング・ディレクターを経て、BCGデジタルベンチャーズ(BCGDV)東京拠点を立ち上げ、現在はBCGDVマネージング・ディレクター&パートナー ジャパンヘッドとして同拠点を率いる。デジタル領域における企業・事業戦略や事業開発などを中心に数多くのプロジェクト、事業立ち上げを手掛ける。
ウォルト・ディズニー・ジャパンは素晴らしい職場だったのですが、どうしても米国本社の決定を優先せざるを得ない場面もあり、コントローラビリティ(裁量の大きさ)が少ない点に物足りなさを感じることもありました。
オリコンは、企業規模は決して大きくないものの、上場していて、売り上げがどの事業活動から上がっているのかが1円ずつ手に取るように分かる。そのリアリティが魅力的でした。