2020/10/21

【ココナラ 会長】正しい時と場所、スタイルで仕事をする

南 章行
株式会社ココナラ 代表取締役会長
スキルシェアサービスの草分けとして圧倒的な存在感を放つ「ココナラ」。デザインやイラスト、キャリア相談など個人が得意とする多種多様なサービスが出品されている。その数は200種類・40万件以上におよび、登録会員数は170万人を超える。

「一人ひとりが『自分のストーリー』を生きていく世の中をつくる」を経営ビジョンに掲げ、ココナラを拡大成長させてきたのが、運営会社ココナラの創業者で現会長の南章行氏だ。

大手銀行から企業買収ファンドに転身。英オックスフォード大学でMBAを取得し、2つのNPOの立ち上げに参画後、起業に至った南氏のキャリア、人生のストーリーを追いながら、個で生きる力を獲得するためのヒントとなる哲学を聞いた。(全7回)

自分にとっての「正しさ」

僕は慶應義塾大学経済学部を卒業後、住友銀行(当時)に5年勤めたあと、企業買収ファンドのアドバンテッジパートナーズに転身しました。
住友銀行(当時)(写真:時事)
約7年の間に5件のM&A案件に携わり、その間には英オックスフォード大学経営大学院に留学してMBAを取得。帰国後はファンドの仕事と並行して、2つのNPO法人の立ち上げに参画し、東日本大震災を機に、起業を決意しました。
こうして経歴だけ並べてみると、いわゆる「デキる人のキャリア」のように見えるかもしれません。
でも、成功や成長のために努力してキャリアを積み上げてきたわけではないんです。これまでのキャリアにおいて、自分の能力がほかの人より圧倒的に優れていたということもなかったですし。
南 章行(みなみ・あきゆき)/ココナラ 会長
1975年生まれ。愛知県名古屋市出身。慶應義塾大学経済学部を卒業後、1999年住友銀行(現三井住友銀行)入行。2004年に企業買収ファンドのパイオニアであるアドバンテッジパートナーズ入社。2009年に英国オックスフォード大学経営大学院(MBA)修了。現地で出会った「音楽を使った若者向け社会起業プログラム」ブラストビートの日本法人(NPO)設立を主導したほか、オックスフォードの同期が設立したNPO法人「二枚目の名刺」の立ち上げにも参画し、個人の自立・自律をサポートする活動に積極的に参加。東日本大震災をきっかけに、2011年6月にアドバンテッジパートナーズを退社し、自ら代表としてウェルセルフ(現ココナラ)を設立。知識・スキル・経験のスキルマーケット「ココナラ」を運営している。一般社団法人シェアリングエコノミー協会理事。