[メルボルン/シンガポール 1日 ロイター] - アジア時間1日の原油先物は上昇。米経済対策を巡る合意が成立するとの期待が高まっている。ただ、新型コロナウイルスの感染が拡大する中、燃料需要を巡る懸念も根強い。

0645GMT(日本時間午後3時45分)時点で、米WTI原油先物<CLc1>は0.13ドル高の40.35ドル。30日には2.4%の上昇を記録していた。

北海ブレント先物<LCOc1>は0.11ドル高の1バレル=42.41ドル。30日は0.2%下落だった。

トランプ米政権は、1兆5000億ドル超の規模の新型コロナウイルス経済対策案を下院民主党に提案した。[nT9N2B301A]

OANDAのアジア太平洋担当シニア・マーケット・アナリスト、ジェフリー・ハレー氏は「トランプ大統領が署名するとしても、下院での承認が必要になる。だが、共和党が1兆5000億ドル、民主党が2兆2000億ドルと、協議は進展しているようだ」と指摘。

「妥協が成立する可能性が劇的に高まっており、市場にはプラスだ」と述べた。

ムニューシン米財務長官は30日、暗礁に乗り上げている追加の新型コロナウイルス経済対策を巡りペロシ下院議長と会談し、多くの点で前進があったと述べた。

また、関係筋によると、下院は、当初30日夜に予定していた2兆2000億ドル規模の民主党の法案の採決を翌日の10月1日に先送りした。超党派での合意を目指し、トランプ政権とさらに協議するためという。

一方、米国で新型コロナウイルス感染者数および死者数の増加に歯止めがかからず、需要を巡る懸念は続いている。

また産油国からの供給拡大も重しとなっている。

ANZリサーチは、ロシアが石油輸出国機構(OPEC)加盟国と非加盟の主要産油国で構成する「OPECプラス」の合意枠以上に産出量を拡大している点を指摘。「OPECプラス」からの供給増が、市場の均衡に向けた取り組みへのリスク要因になっているとした。