[29日 ロイター] - 米野党民主党の大統領候補ジョー・バイデン前副大統領は29日、2019年の納税申告書を公表した。同夜開催される第1回大統領候補テレビ討論会を前に、納税問題が物議を醸しているトランプ大統領に先制攻撃を仕掛けた格好だ。

納税申告書によると、バイデン氏と妻のジル・バイデン氏の昨年の所得は合わせて約98万5000ドル、納税額は計29万9000ドル。

バイデン氏の陣営は「透明性が米国民に信頼を与える」とした上で、納税申告書の公表を拒否しているトランプ大統領に対し、「納税申告書を公表すべきだ。しないのであれば、口を閉ざすべきだ」と批判した。

民主党の副大統領候補カマラ・ハリス氏も19年の納税申告書を公表。ハリス氏と夫のダグ・エムホフ氏の所得は計330万ドル、納税額は約120万ドルだった。

米紙ニューヨーク・タイムズは27日、トランプ大統領が過去15年のうち10年間も所得税を納めておらず、2016、17年の連邦税納付額はそれぞれ、わずか750ドルだったと報じた。税金還付書類によると、数億ドル規模の課税所得を得ていたものの、事業損失との損益通算を行ったためという。

ペンス副大統領は16年の大統領選前、過去10年分の納税申告書を公表したものの、その後は公表していない。