[東京 29日 ロイター] - トヨタ自動車<7203.T>が29日発表した2020年8月の世界販売(トヨタ車とレクサス車)は前年同月比10.6%減の72万0765台、世界生産は6.7%減の63万4217台だった。新型コロナウイルス感染拡大が響いて前年同月を下回った。ただ、販売・生産いずれも減少幅は縮小傾向で、特に中国と日本での回復がけん引した。同社によると、回復ペースは想定以上で、9月も堅調に推移しているという。

減少幅は、世界販売では5月が31.8%減、6月が16%減、7月が12%減、8月が10.6%減となっており、世界生産では5月が54.4%減、6月が24.0%減、7月が10.2%減、8月が6.7%減で、販売・生産ともに月を追うごとに縮小してきている。

広報担当者は、8月も前月に続いて「想定を上回るペースで回復している」と明らかにし、状況は国によってそれぞれ異なるが、9月も「トータルでグローバルでみて、回復傾向になると想定している」と述べた。

トヨタは第1・四半期決算時に販売回復のペースについて、7―9月に前年同期比で約15%減、10―12月で約5%減、来年1―3月に約5%増との想定を発表。7―8月累計での販売実績は11.3%減となっており、9月も堅調なことから、7―9月としても想定以上の回復が見込まれる。

8月の実績を地域別でみると、中国の販売が前年同月比27.2%増、生産が15%増。セダン「レビン」などが堅調だった。日本の販売は10.6%減、生産は11.5%減だった。コロナの影響で前年割れはしているが、スポーツ多目的車(SUV)「ハリアー」、小型車「ヤリス」や「ライズ」などの売れ行きが好調で、回復基調にあるとしている。

(白木真紀)