[ワシントン 28日 ロイター] - トランプ米大統領の2016、17年の連邦税納付額がそれぞれ、わずか750ドルだったと米紙ニューヨーク・タイムズが報じたことを受けて、ソーシャルメディアでは「私はドナルド・トランプより多くの税金を払った(#IPaidMoreTaxesThanDonaldTrump)」というハッシュダグを利用した投稿が28日から急増している。

民主党大統領候補のバイデン陣営も「私はドナルド・トランプより多くの税金を払った」と書かれたグッズを打ち出した。

環境活動家で富豪のトム・スタイヤー氏は「私が2017年に払った連邦税はドナルド・トランプよりも3200万ドル多い」とツイッターに投稿。今年の大統領選でトランプ氏を落選させるべきだと呼び掛けた。

トランプ大統領は28日、自身の所得税納付に関する報道を巡り、「数百万ドルの税金を払った」とツイッターに投稿。資産は債務を上回るとも述べた。証拠は示しておらず、大統領選前に納税記録を公表する意向も示していない。

今回の問題が、大統領選の投票に影響するかは不透明。トランプ氏のツイッターの投稿は数万件の「いいね」を集めており、支持者からは同氏を擁護する声が出ている。

法律事務所ステプトーのマネジング・ディレクターで下院共和党の税務顧問を務めた経歴を持つジョージ・カラス氏は、納税に関する個人情報が漏れたのは問題だと批判。「損失で所得を相殺するのは全く不公平ではない」と述べた。

アイオワ州で農場を経営するトランプ氏の支持者ポリー・ハートスークさん(68)は「トランプ氏は財務省に自分のお金を渡すのではなく、自己資金を雇用創出に再投資した」とし、今年の大統領選でもトランプ氏に投票する意向を示した。

一方、バイデン氏を支持するオハイオ州の看護婦エイミー・グランディネッティさん(48)はトランプ氏の課税逃れは「常軌を逸している」と批判。「普通の米国人は真剣に考え直さなければならない」と主張した。