[29日 ロイター] - ロイターの集計によると、世界の新型コロナウイルス感染症による死者が29日、100万人を突破した。死者の数は3カ月で2倍に増えた。米国、ブラジル、インドで増加が顕著になっている。

国連のグテレス事務総長は声明で「世界は苦渋の節目に達した」と述べた。

9月の平均死者数に基づくと、世界で24時間に5400人以上が新型コロナで死亡していることになる。これは1時間当たり226人、16秒で1人のペースに相当する。

死者の数は米国とブラジル、インドで全体の約45%、中南米が3分の1以上を占めている。

米国では28日時点で、累計死者は20万5000人超、感染者は718万人で、ともに世界最多。

インドでは9月初旬以降、1日当たりの新規感染者数が平均8万7500人と、1日当たりの増加数は世界最多となっている。現在の増加ペースが継続すれば、感染者数は年末までに米国を上回る見通し。

一方、感染者数は急増しているものの、インドでのコロナ感染症による死者は9万6000人強と、米国とブラジルを大幅に下回る。

欧州での死者は世界全体の約25%を占める。

ロイターの集計によると、フランスでは1日当たりの新規感染者数が平均1万人強、スペインでは約1万1000人となっている。

イタリア政府当局者によると、欧州諸国でコロナ感染が再拡大する中、イタリアでは来月半ばに失効する非常事態宣言を延長する公算が大きい。

イタリアは一時、欧州のコロナ感染の震源地となったものの、厳格な制限措置が奏功し、感染状況は夏にかけて収束。しかし、感染者数はこの1カ月で増加傾向にあり、過去7日の1日当たりの新規感染者数は平均1694人。

スペイン政府はこの日、コロナ禍を受けた一時帰休者向け支援措置を来年1月末まで延長することを決定した。6月半ばのロックダウン(都市封鎖)措置解除に伴い、多くが職場に復帰したものの、依然75万人が9月時点で支援措置を受けている。

また、学校再開に伴い感染者数が増加しているロシアの首都モスクワでは、ソビャニン市長が学校の休暇を1週間延長し、10月5─18日までの2週間とする方針を発表し、保護者に子どもを自宅にとどまらせるよう指示した。

ロシアのコロナ感染者数は累計116万7800人強と、世界で4番目に多い。死者は2万人超。

*内容を追加しました。