[ワシントン 28日 ロイター] - ペロシ米下院議長(民主党)は28日、民主党議員らが新たに2兆2000億ドル規模の新型コロナウイルス経済対策法案を用意したとし、同案は経済支援コストを軽減するための妥協案だと明らかにした。

ペロシ議長は民主党議員宛ての書簡で、新たな法案には「学校や零細企業、飲食店、劇場や航空会社従業員などの破滅的状況を避けるための新たな資金が盛り込まれている」と説明。

「法案の適用期間を短縮することで、コストを減らすことを可能にしている」とした。

新たな法案をいつ採決するかは、明らかにしていない。

ペロシ議長、上院民主党のチャック・シューマー院内総務、ムニューシン財務長官、およびマーク・メドウズ大統領首席補佐官の新型コロナ景気対策を巡る正式協議は8月7日に決裂したが、それ以降、ペロシ氏とムニューシン氏は電話で対話を続けている。

ペロシ氏とムニューシン氏は、27日と28日に電話で協議した。ペロシ氏の報道官によると、両者は29日朝にも協議する予定。

ペロシ氏とシューマー氏は当初、3兆4000億ドルの景気対策を提案していたが、その後、規模を少なくとも1兆ドル縮小する用意があるとしていた。

ただ、今回提案されている2兆2000億ドルという規模をホワイトハウスが検討するかは不明。メドウズ氏は以前、トランプ大統領が1兆3000億ドルの規模なら受け入れると述べている。

また、下院の民主穏健派からは、成立の可能性が高い超党派による法案を求める声も出ている。

下院民主党の声明によると、新たな法案には、4360億ドルの州・地方政府向け支援と教育分野や航空業界従業員向け支援、中小企業を対象にした「給与保護プログラム(PPP)」などが含まれる。

また、納税者1人当たり1200ドルの追加給付金や、週600ドルの失業給付金を復活して1月まで実施する案が盛り込まれている。

*内容を追加しました。