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27日に発火したアルメニアとアゼルバイジャンの紛争は未だ沈静化の兆しを見せていません。
そこで気になるのは記事中でも指摘されているロシアの出方なのですが、これもなかなか難しいものがあります。

ロシアやアルメニアが加盟している旧ソ連の軍事同盟「集団安全保障条約機構(CSTO)」は、NATOと似たような相互防衛条項を含んでいるので、素直に考えるとロシアはアルメニアに加勢して参戦する義務があります。
実際、アルメニアにはある程度の規模のロシア軍も駐留しています(カラバフからは遠いトルコ国境のギュムリに居るので紛争にはまだ巻き込まれていない)。

しかし、もしロシアがアルメニア側に立つとなると、アゼルバイジャンとは決定的な対立関係に陥ります。これが意味するところは
・カスピ海におけるエネルギー開発やロシア製武器の輸出といった個別の利権が失われる
・アゼルバイジャンが「兄弟国」であるトルコへの接近をさらに強める
・以上の結果としてアゼルバイジャンがロシアの勢力圏から完全に失われる
といったところでしょう。

かと言ってここでアルメニアを見捨てると、アルメニア世論が許さないでしょう。
アルメニアでは駐留ロシア兵による犯罪が社会問題になったり、ロシアがアルメニアと同盟を結びながらアゼルバイジャンにも武器を売っていることに強い反感が持たれて来ました。
そこまで我慢して同盟を維持してきたのに結局有事にはロシア軍は役立たずだったとなると、これはこれでアルメニアの離反を招く可能性があります。

現在のところはアルメニア側がCSTOの支援を求めないという声明を出すことで以上のようなボロは覆い隠されていますが、戦争がエスカレートした場合どうなるかは分かりません。
アルメニアとアゼルバイジャンの紛争というだけでなく、旧ソ連南部のロシア勢力圏が大きく揺らぐ事態にもなりかねないと思います。