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さすが戸田さんですね。ちょっと一般の方には難しいかも知れませんが、、、

容量市場は必ずしも石炭・原発の温存策ではなく、むしろ調整電源であるガス/石油火力(及び揚水水力や蓄電池等)のピーク/ミドル電源の安定性に寄与するということはわかりましたが、自由化で設立を促した新電力を潰す効果がある事は間違いないですよね。競争させたいのかさせたくないのか。単に、行政が建前上安定供給を市場で担保するために業界がやらされているだけのようにも思えてしまいます。

安定供給の仕組みを作る前に自由化したので(参入者はそれをわかっていたとはいえ)、フリーライダーがたくさん参入し、その後に制度を追加して梯子を外して排除するのは、健全な競争環境の設計とは思えません。都合のよい制度から順に作って、制度の不備をあとからパッチワークする度に、民間がリスクをとっているわけで、制度設計の予見不可能性・不確実性が最大の事業リスクとなってしまっています。

これでは、電力市場のリスクを事業者が取れず、制度リスクも含めて、殆どのリスクを消費者に押し付ける結果となるでしょう。現在(様々な業界で)起きていることを一言でいえばそうなります。これは近代民主主義の三権分立システムが抱える行政の暴走という致命的問題です。

非化石価値市場もそうですが、結局上限値に張り付くことがわかっているならば、市場取引ではなく、上限値を決める議論のやり方で約定値を決めてしまった方が、予見可能性が高いようなきもします。上限値を決めてそこに決まってしまうなら、結局何のための市場取引だったのでしょうか。

しかも、現在業界ではこの価格をご破算にしようという議論さえあります。気持ちはわかりますが、どんな法的根拠で覆すんでしょうか。

また、一応役割は異なりますが、将来の電力供給リスクをヘッジする手段として、昨年電力先物市場も上場しています。そことの棲み分け(存在意義)も正直よくわからない部分があります。
多くの方には馴染みのない話で恐縮です。電気の安定供給を維持するうえで重要な市場の初めての入札が行われました。結果を巡って多くの意見が飛び交っていますが、一面的な見方がすれ違うことなく交わされている印象があります。建設的な議論の場を提供したいと思い、U3Innovationsのサイトに企画ページを立ち上げました。初回は、公益事業学会でも最もこの問題に詳しいお一人でもある、戸田さんの論考です。

【追記】皆さんコメントありがとうございます。
字数限られますが、
大場さん:電力を市場原理に任せる覚悟が不十分なまま自由化した副作用ですかね。それにしても、逆数入札だの、0.58だの、制度をこねくり回した学者先生に「どうすんの、これ」と言いたい(笑)。
>現在業界ではこの価格をご破算にしようという議論さえあります。
→日本のエネルギー市場の予見不可能性・不確実性を世界に知らしめることになりますよね。容量メカニズムはどの国も修正しつつですが、入札結果ご破算は聞いたことが無い。
森さん、Watsonさん、青木さん、 ありがとうございます。コスト構造を適正化しないと持続可能なシステムにならないので、建設的な議論と修正が必要だと思っています。
大串さん:
1.kW価値を維持する選択肢は「kWh市場の高騰に任せる」「scarcity pricing」「容量市場」があることは戸田さんの過去の論考は言及しており、国の議論も同様な認識です。それ以外にあるようでしたらぜひご提起をお願いしたいです。
2.「こう認識される可能性はある」の意味が図りかねました。確かにこれまでのように再エネは他の電源にフリーライドできなくなりますが、石炭や原子力がそれによって「有利になる」ものではないと思うのですが、違いますか?
3.kW価値と⊿kW価値を混同されていませんでしょうか?安田先生の言う、市場の改善で必要量が減るのは⊿kW価値かと思います。
4.「以前の電源」以外もDRなどkW価値があれば容量市場で約定できますし現にしています。それらが現時点では力不足なので、以前の電源が約定していますが、今後の成長に期待です。
5.今の仕組みが継続すると、引退してもらっては困る電源が引退してしまうので、容量市場が導入されるものです。他方、需要予測が過大であるという可能性はあり得ます。
6.参照している文献どれでしょうか?
専門的な内容ですが、重要な考察です。私的には特にここ↓

> 「加えて、限界費用ゼロの再エネの普及が進むと、従来型電源は設備利用率が低下し、ミッシングマネーが増加します。この影響はベース電源よりも、ピーク/ミドル電源においてより顕著に現れます。電力システムの需給運用の定石として、可変費の小さいベース電源はできるだけ一定出力で運転することが経済的であり、再エネの出力変動に応じて出力を調整する役割は、可変費が大きいピーク/ミドル電源が主に担うからです。

以上から、もっぱらkWh市場のみに依存する市場構造の下で、限界費用ゼロの再エネが普及すると、ピーク/ミドル電源においてミッシングマネー問題が深刻化します。容量市場によってkW価値に対価を発生させ、それを適正に取引することによって、ピーク/ミドル電源が維持されます。これら電源は、再エネが主力電源となる時代に不可欠な、再エネの出力変動を調整する役割を担います。容量市場は、石炭火力・原子力温存策ではなく、再エネへのエネルギー転換を遅らせるものでもなく、再エネへのエネルギー転換にむしろ必要なものと言えます。」
2016年に東京電力がホールディングスカンパニー制に移行し、燃料・火力発電、送配電、小売を分社化。既存燃料事業や既存火力発電事業は中部電力との共同出資であるJERAが承継。
時価総額
1.48 兆円

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