[24日 ロイター] - 米フェイスブック<FB.O>のコンテンツを巡る決定が適切かどうかを判断する独立した第三者機関の「監視委員会」が、長い延期の末、米大統領選目前の10月に始動する見通しとなった。ただ、同社の広報担当者によると、選挙関連コンテンツの問題に対応する可能性は低いと述べた。

監視委は有害なコンテンツへの同社の対応に批判があるのを受けて設置された。活動開始当初はフェイスブックと傘下のインスタグラムの投稿削除に関する決定を検証するほか、同社にポリシーの変更を提言する権限が与えられる。

同委の委員、アラン・ラスブリッジャー氏は今週実施したロイターのインタビューで、10月の始動を目指していると述べた。同委の広報担当者は、元々は昨年の活動開始が予定されていたが、延期されたのに加え、新型コロナウイルス流行がさらなる遅延につながったと説明した。

監視委は当初、フェイスブックによる投稿削除の決定を巡りユーザーから問題が指摘された場合に対応するが、同社が問題を指摘された投稿の掲載を続けたケースには対応しない。このため、専門家の一部は、偽情報やヘイトスピーチといった問題でほとんど役に立たないと指摘する。また、広告やグループの投稿には当初は対応せず、個人の投稿のみが対象となる。最長で90日以内に適切かどうかを判断し、対応するが、フェイスブックは30日への迅速化を求めることもできる。

フェイスブックの広報担当者は、11月の大統領選までの時間を踏まえると、選挙関連のコンテンツが検証される可能性は低いと説明。

ラスブリッジャー氏もまた、ロイターに対し、監視委は試験運用の段階でトランプ大統領の投稿に関する決定は検証しなかったと述べた。ヌードや冒とくなどの問題は取り上げたという。同氏は英紙ガーディアンの元編集長。

IT業界の監視組織「アカウンタブル・テック」は24日に出した文書で、「大統領選を前にフェイスブックの欠陥に対応するには遅すぎる」始動だと指摘した。

監視委は当初の陣容20人が5月に発表されており、元デンマーク首相のヘレ・トーニングシュミット氏、イエメンの活動家でノーベル賞受賞者のタワックル・カルマン氏などが含まれる。

メンバーは今後、40人に増える見通し。

*カテゴリーを変更して再送します