[24日 ロイター] - トランプ米大統領の元上級顧問であり退役大将のポール・セルバ氏は、11月3日の大統領選で民主党候補バイデン前副大統領を公に支持するため、バイデン氏を推薦する軍や政権の元幹部からなる大型団体に加わった。団体が24日に公表する書簡をロイターが入手した。

セルバ氏は2019年7月まで米統合参謀本部副議長を務めた。「バイデンのための国家安全保障指導者」という名の団体には、元軍幹部や元大使、元政権当局者など国家安全保障の専門家489人が名を連ねる。

セルバ氏は、トランプ氏が「大統領が担う大きな責任を果たすことができない」とする書簡に署名。書簡は「トランプ氏の尊大な態度や失敗により、同盟国は米国を信頼も尊重もしなくなった。敵国は米国を恐れなくなった」とした。

セルバ氏はコメントの要請にすぐには応じなかった。

これまでも国家安全保障の元指導者から成る他の団体がトランプ氏を批判しバイデン氏を支持した例はある。ただセルバ氏のように、国防総省で2番目に高い地位にいた最近の退役大将が、大統領候補者を公に支持し自身が仕えた大統領を批判する書簡に署名することは注目に値する。

書簡には他に、ポール・ズクンフト元沿岸警備隊長官、サミュエル・ロックリア元太平洋軍司令官、ピーター・チアレリ元陸軍副参謀総長が名を連ねた。

バイデン陣営はリベラル派や共和党穏健派、無党派を含む幅広い連合を結成しようとしてきた。バイデン氏は8月の民主党大会の指名受諾演説で、大統領に就任した場合、民主党支持派だけでなく全ての米国人の大統領になると主張した。

トランプ氏は自分を米軍の擁護者と評しており、大規模な軍事費を誇っているものの、最高司令官を侮辱したり、一部の主要な問題について司令官の助言を無視したりし、国防総省との関係は悪化している。