[東京 24日 ロイター] - 日本自動車工業会(自工会)の永塚誠一副会長は24日の会見で、新型コロナウイルス感染拡大の影響が及んでいる国内自動車市場について、少しずつ回復しており、9月は聞き取り調査で「9割台近いペースに回復しているように伺っている」と述べた。ただ、個人消費の回復状況は依然厳しいことなどから、国内需要見通しの公表は引き続き見合わせた。

永塚氏は、国内自動車市場は4―6月期は前年同期の68.2%だったが、5月の緊急事態宣言解除後、7―8月は「8割台ぐらいに戻ってきている」と指摘した。9月も9割台近くまで回復しているが、個人消費の回復ペースは鈍く、「現時点でも厳しい状況の中で、不確定要素があまりにも多い」として国内需要見通しの公表を3月に続いて見送った。

自工会は需要を喚起するため、日本政府に対し、自動車税の即時負担軽減、エコカー減税の対象を限定しない期間延長、中長期的な税制の抜本的な見直し、補助金の拡充・延長などを要請する。永塚氏は、自動車産業を支える企業を支援するため、「ポスト・コロナ、ウィズ・コロナの時代にイノベーションで日本経済をけん引できるよう、研究開発税制の拡充などをしっかりと要請していく」とも述べた。

海外の自動車市場については、感染拡大防止のためのロックダウン(都市封鎖)など厳しい措置がとられた国は徐々に回復しているものの、「(コロナ感染拡大の)第2波、第3波のような懸念もあり、状況を注視していく」と語った。