2020/9/25

【新】サイゼリヤは経営を学ぶには、最高の場所だ

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「今度うちに、星付きイタリアンレストランのオーナーシェフがアルバイトとして入るらしい」。サイゼリヤ五反田西口店でそんな噂が立ったのは、2017年4月のことだった。
アルバイトとして入ったのは、イタリアンレストラン「ラッセ」オーナーシェフの村山太一さん。この度、自身初の著書『なぜ星付きシェフの僕がサイゼリヤでバイトするのか? 偏差値37のバカが見つけた必勝法』(飛鳥新社)を上梓した。
村山さんは、ミシュランガイドで三つ星の称号を持つ京懐石料亭「吉泉」をはじめ、イタリアの星付きレストラン「アイモ・エ・ナディア」や「ダル・ペスカトーレ」などで8年間の修業の末、2011年5月にラッセをオープンさせた人物だ。
三つ星レストラン「ダル・ペスカトーレ」では、修業を始めてわずか2年で、キッチンの総責任者であるスーシェフ、そしてシェフ代理に抜擢された。
料理人として輝かしい実績を持つ村山さんだが、イタリア修業から帰国後、独立してオープンしたレストラン・ラッセの経営に行き詰まってしまう。
そんな時、経営のヒントを求めて、「アルバイト」として入ったのがサイゼリヤだった。そこで得たものが、ラッセの経営改善に大きな役割を果たしているという。
星付きレストランのオーナーシェフでありながら、なぜ研究の場に「サイゼリヤでのアルバイト」を選び、そこで何を学んだのか。そして飲食業界に根付く問題と、村山さんの目指す業界の次なる未来とは。
異端のシェフへのインタビューを全3回でお届けする。
村山太一/レストラン・ラッセ オーナーシェフ
1975年、新潟県十日町(旧中里村)生まれ。調理師専門学校を卒業後、中華料理チェーン店にて勤務したのち、一流の料理人を目指し京都の茶懐石料亭「吉泉」で修業。2000年、イタリアに渡り、二つ星レストラン2店を経験し、三つ星レストラン「ダル・ぺスカトーレ」で修業を経て同店の副料理長に就任。2008年に帰国後、独立の準備を進め、2011年5月12日にレストラン「L’asse(ラッセ)」をオープン。オーナーシェフに就任。

「飲食業界」に根付く深い闇