[ルイビル(米ケンタッキー州) 23日 ロイター] - 米ケンタッキー州の最大都市ルイビルで今年3月、黒人女性のブリオナ・テイラーさん(26)が薬物事件の捜査に来た白人警官らに自宅で射殺された事件で、同州の大陪審は発砲に関与した警官3人のうち2人については正当防衛を認めて起訴せず、後に免職となったもう1人については発砲で隣の住人を危険にさらした罪で起訴する判断を下した。同州のキャメロン司法長官が23日、会見で明らかにした。

この決定を受け、ルイビルの通りには人種差別と警官の残虐行為に抗議する数百人が集まった。抗議デモは総じて平和的だったが、夜間外出禁止令にもかかわらず続き、デモ隊と武装警官の小競り合いのさなかに数発の発砲があった。

現地警察の幹部は記者団に、勤務中の警官2人が銃撃を受けて負傷したと明らかにした。容疑者1人を逮捕したとし、警官2人のうち1人は手術を受けたが、どちらも容体は安定していると述べた。

また、これに先立ってデモ隊と治安部隊の衝突で10人以上が逮捕された。

司法長官によると、テイラーさんは交際相手の男性と自宅にいたところ、捜査令状を持った警官らが立ち入り、この男性が警官に発砲したため、警官が撃ち返し、テイラーさんは6発の銃弾を受けた。

遺族の代理人は、テイラーさんを死亡させた罪を誰も問われないのはおかしいと批判。司法省の捜査は続いている。

ケンタッキー州のベシア知事はキャメロン司法長官に対し、人々が捜査結果をよく理解できるように事件のすべての証拠を開示するよう要請した。

ニューヨークやワシントンDC、アトランタ、シカゴでも抗議集会が開かれた。

*警官2人の負傷に関する情報を追加しました。