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「ヒトチャレンジ試験」の意義について補足します。

従来の臨床試験では、ワクチンを接種した人と偽のワクチンを接種した人が日常生活を送る中でどれだけ感染するかを比較します。これを数ヶ月、数万人規模で行うことで差が出るかの評価ができます。

しかし、この試験の場合、被験者の住む地域で一定の割合で感染が生じていることが前提となります。また数多くの被験者を長期に渡り観察する必要があります。

一方、チャレンジ試験では、より少数の被験者を対象とし、同様にワクチンを接種した人と偽のワクチンを接種した人に分けますが、ワクチン接種後に鼻などから新型コロナウイルスを投与して人為的に感染を生じさせます。

この場合、一斉に被験者を感染させるので、差が見やすくなります。最大のメリットは、少数の被験者で、短期間に確実な効果判定ができるという点です。数万人規模を巻き込む必要がないので、ワクチンの安全性に問題があった場合にも、被害者を少なくできるというメリットもあります。

一方、若い健康な人を対象にしたとしても、わずかな確率で重症化しうるウイルスを人為的に投与すること自体には倫理的問題もあります。

また、若い被験者少数限定で行うことが想定されるため、その試験結果をもって高齢者にも有効と言えるか、あるいは数ヶ月後も有効と言えるか、には疑問符がつきます。これらの点を考慮すると、第三相試験に置き換わるものとはなりえません。

なお、このチャレンジ試験、実験動物に対してはすでに複数のワクチンで実施されています。
具体的には、ワクチンを接種した者に、一ヶ月後、新型コロナウイルスを注射するそうである。英国のワクチン開発では、過去にも使われていた方法らしいが、フランスなどでは行われていない。
イギリスで1月にも「新型コロナウイルス感染症ワクチンの開発に向け、ワクチン接種後に意図的に治験参加者をウイルスに感染させて効果を確かめる「ヒトチャレンジ」臨床試験(治験)を実施する」とFTが報じているそうです。