（ブルームバーグ）： 遺伝子解析ツール開発会社、米イルミナはがん検査技術の開発を手掛ける米新興企業グレイルを買収することで合意した。買収規模は80億ドル（約8320億円）。
21日の発表によると、グレイルの株主は35億ドルの現金とイルミナの普通株45億ドル相当を受け取る。両社の取締役会はすでに買収を承認している。
グレイルは、米マイクロソフト共同創業者のビル・ゲイツ氏やアマゾン・ドット・コム創業者ジェフ・ベゾス氏、米製薬会社のメルクやジョンソン・エンド・ジョンソン（Ｊ＆Ｊ）などテクノロジーおよびヘルスケアの分野で世界的な有力者や大手企業を出資者に持つ。同社は今月、新規株式公開（ＩＰＯ）を申請していた。監督当局への届け出によれば、グレイルは株式非公開企業としてこれまでに19億ドルを超える資金を調達した。
原題：Illumina to Buy Bezos-Backed Firm Grail in $8 Billion Deal (1)（抜粋）
©2020 Bloomberg L.P.
スノーフレークのIPOでも、ザッカーバーグにジャック・ドーシー、リンクドインのリード・ホフマン達のファミリーオフィスが1兆円に迫るリターンを得たし、本件ではベゾスとゲイツ。テック富豪達が有望テックベンチャーに初期投資して更に莫大な富を得るケースが相次いでいる
初回の1000億円強の資金調達でも、その5割以上はイルミナからだと言われていました。実質イルミナのスピンオフのようなスタートアップでしたので、この流れは既定路線かもしれません。
DNAシーケンサーの巨人イルミナによる新規事業。
Grailは、血液による癌診断という全く新しい分野の事業だ。
イルミナは、一度この事業をスピンアウトして改めて買収する。
これは「イノベーションのジレンマ」を回避する手段として、故クレイトン・クリステンセン教授が提唱された手法に合致する。
かつてセラノスが、虚業で世の中を騒がせた血液による癌検査。
イルミナの株価は劇的に落ちているようだが、事業化の見込みの無い事業を改めて買収するのだから成算が無い筈がないと思う。
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