2020/9/22

【南場智子】コロナ後、全く新しい「観戦体験」が生まれる

野村 高文
NewsPicksエディター/音声事業 プロデューサー
2020年は、プロ野球にとって苦難の年となった。
当初、3月20日に予定されていた開幕は、新型コロナウイルス感染症の影響で幾度となく延期され、なんとか6月19日の開幕にこぎつけたものの、無観客試合を余儀なくされた。
7月10日からは観客動員が解禁されたが、上限が5000人に設定されるなど、「満員のスタジアム」の熱気を知る者からすれば、寂しい状況が続く(9月19日からは上限が「収容人数の50%」に緩和)。
プロ野球開幕戦、無観客の中で整列する巨人・阪神の選手たち(写真:時事)
その中で、横浜DeNAベイスターズは、2012年の発足以降、一貫して「球場」での体験価値を高める施策を行ってきた。
ターゲット顧客を20〜30代男性の「アクティブサラリーマン」と設定し、彼らが家族や恋人、友人と足を運びやすくなるよう、多様なニーズに合う座席を用意する、トイレやスクリーンを新しくする、諸々のイベントを開催するといった改善を重ねてきた。
結果、2012年から2019年までの8年間で1試合あたりの平均観客動員数は2.1倍になり、昨年は座席稼働率99%という驚異的な記録を叩き出した。
その中で訪れたコロナ禍。「満員のスタジアム」の実現が難しくなった状況で、いかにして打開策を打ったのか。
球団オーナーの南場智子氏が、当時の心境と、オンラインを駆使した新しい「観戦体験」について語る。

「苦境のときは拾い物をしてやるぞ」