「30人学級」実現へ法改正求める方針 自民 教育再生実行本部
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生徒一人一人にきめ細かい指導をということなら、10人が限度ですね。
何を妥協するかで、○人学級の人数が決まってくるのかなと思います。
学校内で完結するのは無理なので、地域も巻き込んだ教育体制が出来たら理想的かなあと思います。
注目のコメント
基本的には賛成です。個々の児童・生徒を教員がより細やかに見れるようになるからです。
しかし、教員採用の倍率が小学校では1倍に近づいている中で教員の質確保が大きな課題になります。外部人材の活用、オンライン授業の拡充、EdTechによる個別最適な学びの実現など、様々な手段を組み合わせないと、少人数学級化の弊害も出かねません。
上記のメリットやリスク含めて文科省はEBPMに沿う根拠を出す必要があります。元々は教育効果に関するデータを出すべき話ですが、今回はコロナ対策の文脈になるでしょうから、そちらに関するデータが必要です。
ちなみに過去に35人学級を40人学級に戻すべきという議論があった時の記事を共有しておきます。様々な観点で先行研究がまとめられており、今回の議論でも参考になる記事です。
「35人学級見直し議論」を大人の茶番ですませてはいけない
畠山勝太
https://synodos.jp/education/11634実は少人数学級にすると学力が上がる、という研究成果はあまり出ていません。
少人数学級政策の教育効果の不都合な真実
https://synodos.jp/education/12530
上記研究によると、小6では多少の効果はあったものの、中3になると少人数学級の効果はかなり少なくなるようです。これは年齢が上がるにつれて「黙って授業を聞く自己管理能力」が上がるので、クラスの人数が30人だろうが40人だろうがあまり効果は変わらないからだと思います。(なので大学生には講堂で100人に向けて講義を行うことが可能になります)
ただ、低学年には少人数学級が効くという結果があるので、実現に向かうのは意味のあることだと思います。しかし問題は、質の高い教員を確保できるのか、ということです。現在でも小学校の教員採用試験は倍率が2倍を切っているところが多く、質の低下が叫ばれています。40人から30人にするということは、単純計算で1.3倍の教員増が必要です。現在の採用試験の倍率に当てはめると、志願者全員採用ということになりかねません。これで今までと同じような教育の質が担保できるのか、大いに疑問です。
教育の質が低下してきたのは、教育に予算を付けなかったことももちろんですが、本来家庭や地域で行うべきしつけを、学校が代行してきたことにもあります。例えば放課後に公園で騒ぐ児童がいたら「学校に」クレーム電話がやってきます。このような地域や保護者から来るクレームに対応するために、本来授業にかける時間やエネルギーを教員は相当奪われてきたというのが現状です。
ここが改善されなければ小学校の教員になろうと思う若者は増えていかないでしょう。教員志望者が増えないのに学級数だけ増えたらどうなるのか。教員一人で担任を二つ持つような悲惨な状況が生まれるかもしれません。
少人数学級は一見理念としては正しいですが、実現には大きな壁があると思います。学校の抱えている業務を減らしていき、教員志望者を増やしていかないと、公教育の崩壊につながりかねません。長野県はかなり前からMAX35人学級を実現していますが、現場の感覚としては、まだ多いと感じます。
多様化への対応は、その程度人数を減らしたからといって容易にできるものではありません。少ないに越したことはありませんが。