2020/9/21

【直撃】カンボジア「世界初」デジタル法定通貨を作った日本企業

NewsPicks 金融ジャーナリスト
2022年2月の北京五輪までに「デジタル人民元」の実用化を目指す中国に先んじて、中央銀行デジタル通貨(CBDC)を導入しようとしている国がある。カンボジアだ。
カンボジア政府は年内にCBDC「バコン」の正式運用を予定し、実用化で先頭を走っている。
このバコンのシステムを支えるのは、日本のフィンテックベンチャー、ソラミツ(東京都渋谷区)だ。同社代表の宮沢和正社長が日本の電子マネー「Edy(エディ)」の立ち上げから得た経験やノウハウを注入して開発に取り組んでいる。
なぜカンボジアはいち早く通貨のデジタル化に動いたのか。そして、なぜソラミツの技術を選んだのか。宮沢氏に話を聞いた。
宮沢和正(みやざわ・かずまさ)/ソラミツ代表取締役社長。1980年東京工業大学大学院卒(経営工学修士)。ソニーに入社し、交通カードSuicaなどの開発に従事。2001年にビットワレット常務執行役員に就任し、電子マネー「Edy」を立ち上げた。2010年からは楽天Edy執行役員。2008年からは金融庁金融審議会委員を務める。2017年にブロックチェーン技術を提供するソラミツに入社。2020年3月から現職(写真:本人提供)

電子マネーEdyを立ち上げる

──宮沢さんは、ソニー、楽天で「Edy(エディ)」の開発や普及に関わってきました。