2020/9/22

【完全解説】ベラルーシで今、何が起きているのか

小泉 悠
東京大学 先端科学技術研究センター 特任助教
東欧にある旧ソ連国の一つ、ベラルーシ。多くの日本人にはなじみが薄く、世界的に見ても国際ニュースに名前が出ることは珍しい国だ。
しかし今、そのベラルーシが揺れている。首都ミンスクを中心に、週末ごとに民主化を求めるデモが起きているのだ。その原因は8月に行われた大統領選挙で、現職大統領の再選は「工作」された結果だとして、国民が抗議している。
抗議内容は大統領選挙の結果だが、このデモの背景には、ベラルーシが抱える国家体制やロシアとの関係に対する不満が大きく横たわっていると専門家は分析する。
今、ベラルーシで何が起こっているのか、ロシアの軍事・安全保障政策が専門の小泉悠氏が「ベラルーシ問題」の全貌を解説する。
小泉 悠(こいずみ・ゆう)/東京大学 先端科学技術研究センター 特任助教
1982年千葉県生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科修了。修士(政治学)。外務省国際情報統括官組織で専門分析員、ロシア科学アカデミー世界経済国際関係研究所で客員研究員を務めた後、現職。専門はロシアの軍事、安全保障政策。著書に『軍事大国ロシア』『プーチンの国家戦略』がある。

「欧州最後の独裁国家」