[ワシントン 17日 ロイター] - 米労働省が17日に発表した9月12日までの週の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は86万件と、前週の89万3000件から3万3000人減少した。ただ、新型コロナウイルス禍に伴う政府の財政支援が滞る中、個人消費は減速しており、労働市場回復の足取りは鈍い状態が続いている。市場予想は85万件だった。

ラザード・アセットマネジメント(ニューヨーク)の米国株式部長、ロン・テンプル氏は「3000万人近くが失業し、政治家が必要な追加の財政刺激策を打ち出せないでいる中、コロナ不況からの脱却は遅々として進まず、長期的な成長に及ぼすダメージも大きくなる可能性が高い」と述べた。

季節調整前の失業保険申請件数は、9月12日までの週で7万5974件減少し79万0021件。コロナ禍の影響で季節調整が困難なことから、専門家は季節調整前の数字を重視している。

自営業者や単発の仕事を請け負う「ギグワーカー」などに適用されるパンデミック失業支援(PUA)の申請件数は、9月12日までの週で65万8737件。8月29日までの週に失業手当を受けた人は9万8456人増の2976万8326人だった。

9月5日までの週の失業保険受給総数は91万6000件減少し1262万8000件。給付金の受給資格を失った人が統計から外れたことが影響したとみられる。受給期間は大半の州で26週に制限されている。市場予想は1300万件。

通常の失業給付を受給後、最大13週の追加給付を受けている人は、8月29日までの週で10万4683人増加し約150万人となった。

センチュリー財団(ニューヨーク)のアンドリュー・ステットナー上級研究員は、「コロナ危機はいまだに収束しておらず、再雇用の伸びは鈍いほか、家計や企業の苦境は悪化の一途をたどっている」と述べた。

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