[深セン 17日 ロイター] - 中国国内で、通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)[HWT.UL]のハイエンドプロセッサーを搭載したスマートフォンの値段が急上昇している。米国の輸出規制で今後同社のスマホ生産が落ち込むとの懸念が背景にある。

深センにある世界最大の電気街「華強北」では、ファーウェイのスマホはここ1カ月、新品と中古品共に価格が平均400─500元上昇しているという。

ある販売業者によると、1月には1万元だった主力モデル「Mate 30」の値段は、1万4000元(2067ドル)に値上がりした。オンラインでもほぼ同じ値段で売られているという。

より新しいモデルのスマホ向け部品の供給に対する消費者の不安が高まっているという。

米商務省は先月、ファーウェイに対する半導体輸出規制を一段と強化すると発表した。同省は5月、ファーウェイに対する半導体輸出規制を強化し、米国の技術やソフトを利用した半導体を間接的に取得できないようにしていた。

ファーウェイのコンシューマビジネス部門のリチャード・ユー最高経営責任者(CEO)は、米国の規制により、傘下の半導体設計会社、海思半導体(ハイシリコン)が重要な技術にアクセスできなくなり、9月15日以降ハイエンドプロセッサ「Kirin(キリン)」を製造できなくなると語った。

ハイシリコンは、半導体の設計で米ケイデンス・デザイン・システムズ<CDNS.O>やシノプシス<SNPS.O>などのソフトウエアに依存している。また、生産は米国製装置を使っている台湾積体電路製造(TSMC)<2330.TW>に委託している。

ファーウェイは在庫状況を公表していない。同社の広報担当者は今後も需要に応じて出荷を続けると語っている。

調査会社IDCのアナリストは、ファーウェイの半導体在庫は来年上期まではもつとの見方を示している。