[ワシントン 15日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が15日に発表した8月の鉱工業生産統計は、製造業生産指数が1.0%上昇し、4カ月連続で上昇した。予想は1.2%上昇だった。ただ、回復鈍化の兆しも見られ、新型コロナウイルス流行が続く中、企業の設備投資は年末まで低迷が続く可能性もある。

全体の鉱工業生産指数は0.4%上昇した。予想は1.0%上昇だった。前月は3.5%上昇していた。

景気回復の鈍化は底堅いインフレと共に、この日から2日間開かれる連邦公開市場委員会(FOMC)で議題の中心になるとみられる。

MUFGのチーフエコノミスト、クリス・ラプキー氏は「政府・議会が追加コロナ対策で救済に乗り出そうとしなければ、工場生産の回復が今後数カ月で失速する可能性は高まっているようだ」と述べた。

製造業生産は7月に3.9%上昇していた。FRBは「製造業の増加は大半が6月以降、徐々に鈍化している」と指摘。工場生産は2月の水準を6.7%下回っている。

部門別の生産では、自動車・部品が3.7%低下。前月は31.7%急伸していた。機械、家具、コンピューター・電子製品のほか、電気機器・家電は伸びた。

衣料品や皮革製品の生産が増え、プラスチックやゴム製品の生産も上昇した。

鉱業と公益は低下。鉱業生産は2.5%低下したが、FRBによると、ハリケーン「ローラ」などの影響で石油・ガス採掘などが「急激だが一時的に」減少したためという。公益は、電気とガスが小幅減少し、0.4%低下した。

企業がどれだけ資源をフル活用しているかを示す稼働率は、製造業が70.2%で、前月の69.5%から上昇。全体では前月の71.1%から71.4%に拡大したが、1972年─2019年の平均と比べると8.4%ポイント下回っている。